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めろめろ! 

レポートも書かずに創作三昧です。さいてー。

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52:友達――学園モノ書きさんに100のお題より
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 仲良きことはというけれど。
「ん……、っげほ……」
 おれたち、仲が良すぎないか? だって、ほとんど同時に具合が悪くなるなんて、よっぽど通じ合ってなきゃ、なかなかないことだろ? まあ、そう思っているのはおれだけかもしれないけれど。だって、どんなにやさしく扱ったって、どんなに機嫌を取ろうとしたって、『相手』はちっともおれの思うような反応をしてくれない。普段はしかたないなあで済ますんだけど、あいにく、こっちも風邪をひいていて(しかもかなり重症で)、余裕がない。そろそろ素直になってくれないと、いくら温厚なおれでも、怒っちゃうぞ?
 暗い部屋の片隅で、おれは、荒い息をしながらしゃがみ込んでいた。
「……」
 くらくら、してきた。熱のせいかな。鼻が詰まっているからかな。身体を栓で塞がれたみたいな閉塞感と圧迫感で、今にも倒れてしまいそうになる。足が、がくがくと震える。寒気がする。指先がかじかむ。ああ、もう――いい加減に、してくれよ。息も苦しくなってきた。喉が渇いて、ヒリヒリする。
「……けほ、っ」
 そして突如背後から流れてくる新しい風。冷たい風に驚いて振り向くと……幻覚かな? なんだかユキちゃんと吉野ちゃんが見える気がするんだけど……。
「ちょ、ベルーガ、お前、寝てなきゃだめだろー!」
「それより、なんだこの臭いは! 白石、いいからそれいじるのやめ――」
 吉野ちゃんの声は、途中で途切れた。というか、おれの意識が、途中で、途切れた。くらっ、と、世界が 揺 れた気 がし て、 徐 々に、 ブ  ラ  ッ   ク ア    ウ      ト    。
 ――する直前で、引き戻された。
「白石、白石っ! おい、冗談じゃねーぞ! こんなくだらねーことでくたばるなんて許さんっ」
「苦しい苦しい吉野ちゃん苦しいっ首元しめないで襟首のびるっ苦しいってばくたばるっていうかおれ吉野ちゃんに殺されっ……げほ、けはっ」

 おれの意識が別の意味でブラックアウトする直前で、どうにかおれから吉野ちゃんを引きはがし(陣内が)、おれをずるずると引きずって(陣内が)、リビングのソファにおれの身体を横たえた(陣内が)。てきぱきと寒いリビングのヒーターにスイッチを入れて、おれの部屋から持ってきた毛布をおれにかけてくれながら、
「ベルーガ、お前……ストーブ相手に何やってたんだ?」
 呆れたように陣内がおれの顔を覗き込んできた。彼の人の良さがあらわれている太めの眉も、今は眉尻が下がって、いかにも心配そうな顔だ。
「なに、て、すとーぶ、ちょーし、わるか、た、から」
 うまく喋れない。喉が焼けつくみたいに痛い。おれと陣内の間に割って入るように、ずい、と無遠慮に差し出された手は、華奢で繊細で色白な、吉野ちゃんのものだった。その手にがっしりと掴まれているのは、台所に置いてあったすこし大きめのコップ。昼ご飯の後に、薬を飲むときに使ったやつだ。
「ほら、飲め」
「ありが、と」
 受け取ったコップはすこし汗をかいていた。コップの中身を一口分、口に含んで嚥下する。冷たい水が喉を通りすぎて、食堂の内壁を伝い、胃に落ちてゆくのがわかる。水がぬるむまでの清涼感。しかし、喉がすっきりすると、そのぶん頭痛のひどさが際立ってくる。
「あたま痛い」
「当り前だろう、あんな煙たい部屋じゃ。私までくらくらしてくる」
「鼻詰まっててわかんないもん……」
「それにしたって、ストーブは煙吐いてたじゃないか! ……とにかく、あのままじゃお前、中毒で倒れてもおかしくなかったんだぞ」
 思わずストーブ止めたうえに窓全開にしてきてやったんだ感謝しろ! と、自分のためなのかおれのためなのかよくわからない言い回しで、吉野ちゃんはふんと鼻を鳴らした。
「まあまあ吉野、そうカッカすんなって。ベルーガ風邪っぴきだぞ?」
「ユキちゃん……」
「寒かったから早くストーブ点けたかったんだよなー?」
「……そうだけど……なんか馬鹿にされてるみたいに聞こえる。なんか優しすぎてきも……げほ」
「んだとうベルーガ! きもいって言ったか? オレのこときもいって!」
「ええいうるさいぞ陣内! 白石は病人だぞ!」
 それはオレが先に言ったのにー、と言いながら、それでも吉野ちゃんに勝てないあたりが陣内らしくて、思わず微笑ましいなんて思ってしまって噴き出したら、おれのくちから出てきたのは咳だった。
「! 大丈夫か? 白石? 喉痛いか?」
「ん……すこし」
「……水、飲むよりうがいの方が良かったかな」
「いい。すっきりしたから、これはこれで」
 コップを掲げてみせると、おれの手からするりとコップを取り、吉野ちゃんは大仰に頷いた。
「じゃ、せめて深呼吸。煙たい空気は肺から追い出せ」
「……げほ」
 吸気が喉に突っかかる。その突っかかった勢いで、鼻もむずむずしてきた。慌てて箱ティッシュを手探る。ぐしゅんとくしゃみをして、同時に、詰まっていた鼻に空気が通る。すうすうして、鼻の中の細胞が生き返った気分。しかし、その気分も長くは続かない。すぐに第二陣がやってきて、鼻には再び栓を詰めたようないやな後味が残る。まるまったティッシュを手にゴミ箱を目で探っていたら、
「ほら」
 陣内が、ソファの近くまでゴミ箱をもってきてくれていた。
「ありがと」
「ストーブの調子、オレが見とくよ。いつまでも部屋寒いと寝てもいられないだろ」
「ん、お願い」
 たしかに、頭がもうろうとしている自分が下手に何かするより、陣内にやってもらった方がいいと思った。ここは素直に、厚意に甘えておく。陣内がリビングから出て行ったのを見て、吉野ちゃんがすこしだけ、ソファに近付いてきた。
「まだ頭痛い? 耳鳴りとかない? 吐き気は?」
「あたま痛い。ちょっと胃がむかむかするけど、寝てれば、へいき……っげほ」
「頭痛は風邪だけじゃなくて一酸化炭素中毒のせいかもしれないからな。喉が痛いのも。鼻が詰まっているなら呼吸しづらいと思うけど、おっきく吸っておっきく吐くんだよ」
「ん」
 すう、と肺に酸素を送り込む。気が済むまで吸ったら、気が済むまで吐く。何かが喉を通るたび、ざらりとした感触が残るけれど、身体がゆったりしてくる。その様子を、黙って見つめる吉野ちゃんの表情には、すこしだけ(もしかしたらとてもたくさんの)気遣いとか、心配とか、そういうものが表れていた。おれが気付かなかっただけかもしれないけど、もしや彼女がずっとこんな顔でおれを見ていたのかと思うと、気恥ずかしいというか、すこし歯痒い。でも、悪くない、とも思ってしまう。
「……吉野ちゃ、意外と、心配症」
 つっかえる喉がそう漏らすと、彼女の目は大きく見開かれて、ちょっぴり頬が紅潮して。
「なっ……一酸化炭素なめんなよ、アレで死ぬ奴だっているんだからな!」
「えへ、でも、心配してくれてるんでしょ?」
 ちょっぴり、だった頬の紅潮が、ちょっぴり程度じゃ済まない色に濃くなった。のが見えたのは一瞬で、吉野ちゃんはものすごい勢いでおれから顔をそむけて、立ち上がって、
「あったりまえ、だろっ! ……友達、でしょ」
 尻切れになりそうなくらい小さな声でそう言い添えて、コップ台所に置いてくるから寝てなさい、と、またも命令口調で言い放って、立ち去ってしまった。なにか気に障ることを言ってしまっただろうか、とぼんやり考えながら、でも、程よく身体に睡魔も襲ってきていて、寝てなさいと言われたことだしすこし眠ろうかと目を閉じた。
「友達って、やっぱ、いいねぇ……」
 目を閉じると毛布の温みが心地よく、彼女が戻ってくる前に眠ってしまえるのではないかと思った。そしてたぶん、実際に眠った。

 起きたら時計の長針が文字盤の四分の一進んでいて、顔を上げたら吉野ちゃんの顔が眠る前に見たときより真っ赤で、なにやら陣内がニヤニヤしていて、おれの寝顔はそんなにおもしろかったのだろうかと、寝惚けた頭でそう思ったりした。
 なぜ陣内がニヤけていたのか、なぜ吉野ちゃんが赤面していたのか、その理由はおれの寝顔がおもしろいせいではなかった、というのは、また別の話。

(C)KERO Hasunoha
******
あとがき。

言わずもがな管理人の発熱と我が家のツンデレストーブが題材です。
そしたら陣内がひたすらいい奴になっただけの話になりました。甲斐甲斐しいなあ陣内ユキヒコ。
すみれちゃんはイルカ相手に「友達」言ってますが、内心複雑でしょうね。イルカは何の邪心もなく
「友達」言ってます。イルカのは陣内も含めて友達って意味が強い感じがしますな。天然ー。
でもうちのイルカはともだちっていいもんだなーと心の底から思ったことはあんまりありません。
だからなんか発言がうそくさいですこのイルカ。書いてる私がいちばんそう思った。うそくさいい!

なんかわかりにくいけどすみれ→イルカみたいな感じ。陣内は生ぬるく見守ってる方向で(笑
あー、ベルーガ今日は鈍いなー、とか思ってニヨニヨしてるといいです。

起きたら陣内がニヤけてて、すみれちゃんが赤面してた理由は、管理人的に設定があることは
あるのですが、ここは地下室女王の妄想に任せましょうかというところ。ぐへ。丸投げでぇす。
ここで女王に任せたらうっかり陣内×吉野とかやらかしそうだけど気にしない。しかし、私は、
敢えて言おう! イルカ×すみれ(←雪比古)の構図こそ至高であると!(……。

レポート明け、待ってるからね!(爽やかな笑顔で

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[ 2009/01/12 04:16 ] 小説系 | TB(0) | CM(2)

地下室

え!?危なかったー。ベルーガ×すみれでいいんだよね?
そういうことは早めに言ってくれないと。あやうく陣内×ベルーガにするところだったっつーの(笑)←論外

すみれちゃんが赤面していたのはきっと陣内が、
「寝起きのイルカはほんっと甘えん坊でさぁ(ニヤニヤ)」
とか、
「陣内ぃ…すみれちゃんとこいっちゃやだよぉ(寝ぼけ)」
と寝ぼけてメソメソしたりするエピソードを嬉しそうに披露して、彼女もついつい乙女らしく想像(妄想)したから赤面しちゃったんじゃなかろうかと思ったじゃない!!(腐)

てか丸投げかよぉ。こんなべったべたな話誰が書くねん!(爆笑)
おたのしみにー
[ 2009/01/13 01:18 ] [ 編集 ]

れす!

コメントありがとうございますー!

BL設定じじゅう^^ ていうか陣内は攻めじゃなくて受けでしょ!(ぁ
すみれちゃんに腐属性つけたらそれだけでいっぺんに話がカオスになるよ!
だめだ、このやり取りができる時点で私、801ちゃんに侵されてる……! orz
[ 2009/01/13 16:56 ] [ 編集 ]

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