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みなぎってきた! 

勢いとかその場のノリで二次創作のUPを続けていたら、なんだかみなぎってきた管理人です。
改稿しないでUPするのは一種の羞恥プレイじゃないかなと思い始めてます。てなわけで、今回は
初出の奴をちょっぴり修正しました。が、大幅な変更はしてません。
TOS二次創作です! ぬるいロイコレで、若干ロイ←コレですよ! ネタばれ考慮なし!

******
もしも、それが叶うなら――テイルズオブシンフォニアより
******

 ――――今のわたしには、やっぱりキミが必要です。

 砂漠には、イセリアでは見たこともないようなモンスターがたくさんいる。毒を持つものがその大半で、パナシーアボトルは必須。救いの小屋に立ち寄った時にたまたま居合わせた行商人から、大量のパナシーアボトルを受け取ったのだけれど(20本のボトルを全部タダで貰ってしまった。なんて気前がいいのだろう!)、それすらももう底を突いてしまった。急いでトリエットの町に向かってはいるが、手ごわいモンスターが多く、荷を狙ってくる盗賊もいる。
 足止めを食っている場合じゃないのに。
 わたしは神子として、一刻も早く世界を再生しなければならない。

「先生……?」
「なにかしら?」

 リフィル先生に今の時間を訊こうとして、そういえばさっきも同じことを訊ねたっけと思い出す。
 わたしが村を出てから、何時間も経っている。
 ロイドは、あの手紙を読んだだろうか。もう読み終っている筈だ。これだけ時間が経ってしまったのだから――

「コレット?」

 不自然に途切れた会話に、リフィル先生が不審そうにわたしの名前を呼んだ。心配と、疑問の混ざったような顔。

「あ、え、えーと。あ、暑いですねぇ」
「そうね……でも、村を出てきた頃からすれば、幾分か涼しくなったわ。これからどんどん冷えてくるわよ。砂漠は昼と夜の温度差が激しいから」
「あ、この間の授業で習ったやつですね?」
「そうよ、コレット。そのうえこの辺りには大きな山脈もあるでしょう? だから――」

 しどろもどろになりながら、何とか会話を繕った。リフィル先生は歩きながら、山脈と気候の関係についての説明を続けている。わたしはそれを聞いて――きちんと頭には入れてはいないけれど――、適当に相槌を打つ。そして、そんなわたしたちからすこし距離をおいて、「傭兵」のクラトスさんがすたすたと歩いている。辺りを警戒しながら歩き、たまに振り向いては立ち止まって、わたしたちが追い付くのを待っていてくれる。
 その時の仕草が、どことなくロイドのそれに似ていて、わたしはとてもつらくなる。
 彼は今、どうしているのだろう。

「嫌になるわね……」

 ほとんど独り言になっていた講義を打ち切り、リフィル先生が苦い表情で言った。その視線を追うと、サソリ状の、しかしサソリよりも格段に危険度の高いモンスターであるスコルピオンが三匹、こちらに向かって毒針を掲げている。
 クラトスさんは、もう既にその中の一体に向かって剣を振り下ろしている。わたしも、チャクラムを取り出して前線に出ていくことにした。

「コレット、クラトス、毒には気をつけるのよ!」

 リフィル先生は回復担当だけれど、状態異常を回復する魔法は習得していない、と言っていた。だからパナシーアボトルのない現在の状況では、毒を回復する手段が無い。慎重に対処しないと、先生やクラトスさんに迷惑を掛けてしまう。それは絶対に嫌だ。
 毒針を警戒して、いつもより距離を取ってチャクラムを飛ばす。わたしの手を離れたチャクラムは、やや鋭角的な弧を描いて、スコルピオンにダメージを与えて戻ってきた。上手く命中した手応えがあった。敵が怯んでいるのが何よりの証拠だ。その隙を狙って、すかさずもう一枚のチャクラムを横滑りさせるように投げる。しかし今度は、すこし高めに飛ばし過ぎた。

「あ!」

 高めに飛ばしてしまったせいで、チャクラムは砂塵に吹き上げられ、あらぬ方向へと落ちていった。さく、と軽い音を立てて、砂の大地に突き刺さる。
 反射的にチャクラムを取りに走ったが、それは敵に無防備な背中を晒してしまう結果となった。

「――危ない!」

 二匹目を倒したばかりのクラトスさんが叫ぶ。びっくりして振り向くと、見えたのは、わたしの背後を狙って毒針を向けているスコルピオン。そして、背中めがけてまっすぐに飛んでくる毒針。
 しまった、と思ったときにはもう遅かった。

「……きゃっ!」「コレット!」

 手首に鋭い痛みが走る。ガードしようと無理に身体をひねったせいで、服の袖から生身の肌が出てしまい、それがかえって仇(あだ)になってしまった。足がふらつき、わたしは倒れるようにうずくまった。視界の端で、リフィル先生が駆け寄ってくるのと、クラトスさんが一薙ぎで敵を全滅させたのが見えた。

「あ、だいじょぶです、先生……」
「大丈夫な訳ないでしょう! 手を見せなさい!」

 先生はわたしの手首を見て、さっきよりも――敵モンスターを見つけたときよりも――苦い顔をした。先生と同じように自分の手首を見ると、肌に対して少しだけ斜めに毒針が刺さっている。傷はそれほど深くもないが、刺さっている毒針は普通のサイズよりも一回り大きい。毒の回りがいつも以上に早かったのは、このせいだったのかと幾分かぼんやりした頭で考えた。先生は注意深く針を抜き、包帯を取り出して手際良く巻いてくれた。

「……早くトリエットで治療しないと。毒も心配だけど、砂が入って化膿するのも避けたいわ。コレット、立てる?」
「あ、はい、だいじょ……」

 大丈夫です、と言って立とうとしたけれど、急に視界がぶれて、意識が遠のいていった。



 そして、次に気がついたとき、わたしはベッドの上にいた。何処だろうかと思って壁を見ると、『砂漠の花 トリエットにようこそ!』というチラシが目に入った。どうやってトリエットに着いたのだろうかと思って、先の戦闘で倒れてしまったことを思い出し、慌てて手首を見ると、小さな絆創膏が貼られていた。起き上がってみるが、特にふらふらした感じは無い。
 ふう、と溜め息が漏れる。
 ――なんだか、調子が悪いなぁ。
 イセリアを出てきたときから感じていたことだった。このままでは、いつか誰かに必ず迷惑を掛けてしまう。それも予想していたことだった。
 やっぱり。

「やっぱり、嘘ついちゃダメだったよね……」

 原因は何となくわかってはいたけれど、こんな風に影響してくるなんて思わなかった。

 手紙を書いて、すこしは罪悪感も紛れたと思ったのに、まだわたしはわたしをゆるせていない。
 嘘をついたこと。ロイドに嘘をついて――半ば裏切るようなかたちで、村を出てきてしまったこと。



 長い長い、手紙だった。
 それほどまでに内容が多い訳ではなかった。むしろ、少なすぎたぐらいだ。
『親愛なるロイドへ』
 呼び慣れた名前も、改めて紙に書くと、彼ではない誰かの名前のように他人行儀に見えた。
『ごめんなさい。わたしはロイドに、うそをつきました』
 申し訳ない、と思う。
『大好きなロイドを、巻き込みたくなかったの』
 本当のことだ。
『再生された世界で、平和に暮らしてください』
 ……心から、そう、願っている。

 筈、なのに。

「……っ」

 文字を書く手がふるえていた。もうそれ以上、書きたくなかった。一旦ペンを置いて、椅子の背もたれに寄りかかると、涙がこぼれてきた。
 泣いてはいけない。そう自分に言い聞かせても、あふれる涙は止まってくれなかった。
 泣いてはいけない。
 世界の救いを――わたしの旅を――望んでいる人がたくさんいるというのに。
 わたしは神子として、役目を果たさなければならないのに。

――俺もついていこうかと思って。

 そのひとことが嬉しくて。もうすこしで、「わたしも一緒に旅をしたい」と言ってしまうところだった。「俺も行く」と、そう言ってもらえるのを、待っていたのかも知れない。ロイドが、一緒に世界再生の旅に来てくれることを、望んでいたのかも知れない。その旅が、自分にとっても、同行してくれる先生たちにとっても、過酷なものになるのはわかっているのに。
 自分のためだけに、大好きな人を危険に晒そうとするなんて――最低の神子。

 でも、それでも、やっぱり、わたしは。



「あら、コレット。気が付いたのね」

 部屋の戸が開いて、リフィル先生が入ってきた。手には、美味しそうな匂いのする皿。

「調子はどう?」
「はい。大丈夫です。迷惑かけて、すみません」
「気にすることはなくてよ。毒は治療したけれど、あなた、すこし疲れているでしょう? だから、今日はここで休むことにしたわ。ゆっくり休みなさい。……そうそう、宿の人に頼んでリゾットを作ってもらったの。食べられなかったら、無理して食べなくても良いわ。ここに置いておくわね」
「ありがとうございます」

 ぱたん、扉が閉められる。何気なく窓の外を見ると、街が夕焼け色に染まっていた。
 綺麗な赤色。――この景色を、ロイドにも見せてあげられたらいいのに。赤は、彼のトレードカラーだから、きっと喜んでくれる。

「……ロイド……」

 でも、もう会えない。――会ってはいけない。
 会ったら、今度こそ本当に、二度と離れていられなくなる。

「……ロイド」

 もう一度だけ呼ぶ名前。

「……わたしが、がんばってディザイアンを鎮めるから、ロイドは、再生された世界で、平和に暮らしてください」

 いつか書いた手紙の文句を復唱し、わたしは願う。
 願わくは、彼のひとが幸福でありますように。

Fin. (C)KERO Hasunoha 初出:2005/02/16
******
あとがき。
ちなみに修正点は、敵モンスターの名前でした。スカーレットニードルはテセアラの敵だよ……。
コレットの手紙とかロイドのセリフとかはうろ覚えのまま書きました(まずそこを修正すべき
パニック! - ゲーム攻略・裏技 -さま(当時は「ゲーム攻略・裏技」というサイト名でした)にて投稿。

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[ 2009/04/28 23:33 ] 小説系 | TB(0) | CM(0)

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