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またみなぎってきた! 

自重なんかしないよ! 勢いついてないとしぼみそうだからUPできるうちにしちゃうんだぜ! そだ、
管理人の二次創作には冒頭にアオリ文みたいな一文フレーズがついてるの、気づいた人います?
オリジナルにはそういうのあんまりつけてないんですよー。てなわけで、TOS二次創作です!
まさかのユアン×マーテルで、前後編仕様ですよ! ネタばれ考慮なし! 後編はこちら。

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光射す彼方の君へ――テイルズオブシンフォニアより
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 ――――たとえば君のために、私は戦いをも厭わない。

 正直、彼らが此処まで上手くやってくれるとは思っていなかった。パルマコスタ人間牧場跡地での『交渉』は、私にとって殆ど賭けだった。もともと虫の良い――と、偉そうな口ぶりで喋る、しかし至って上品なハーフエルフの女にも言われた――相談だったのだ。あの場で斬られて終わっても不思議じゃなかった。
 しかし彼らは今、私たちと方法は違うが、目的を異にすることなく動いてくれている。
 大樹カーラーンの発芽、マーテル復活の阻止――ユグドラシルの思惑を潰すために、彼らはテセアラの全精霊と契約し、シルヴァラントにいる最後の精霊との契約に向かっている。

「ユアン様。対象がマナの守護塔に到着した模様です」
「わかった。そのまま尾行を続けるように指示してくれ」
「はっ」

 伝令要員のレネゲード兵が、ベースの一角にあてがわれた私の部屋に入ってきた。どうやら彼ら――ロイドたちの一行は、残った最後の精霊であるルナとアスカに契約を申し込む準備を調えたようだ。あと少し段階を踏めば、この歪んだ世界は再生されるのだ。
 計画は、上手く運んでいる。何の滞りも無く、想定外の非常事態も無く。
 しかし――上手く行き過ぎてはいないか?
 私の胸に、一抹の不安がよぎる。

「それでは、失礼しま……」
「いや、待て」

 部屋を出て行こうとしたレネゲード兵を呼び止め、私は立ち上がってマントを取った。

「私もマナの守護塔に行く。指揮は外から執ることになるが、問題は無いな?」
「は……しかし、護衛は」
「いや、単独で出る。――だが、もしもの時のために、全員いつでも駆けつける準備はしておけ」

 威勢の良い返事と激励の言葉を背中に受け、私は小走りに部屋を出た。
 胸騒ぎがする。
 これが杞憂であれば良いのだが、何しろ、私の悪い予感というのは、外れた試しがあまり無い。


 あの時も。
 こんな風に、胸がざわついたのだ。
 ――あの、時も。


「待て!」
「クラトス! じゃまをするな!」

 幾つかのフロアを通り抜けてから聴こえてきたのは、耳慣れた低い声と、怒気すら含んだ少年の声だった。マナの守護塔、最上階への入り口に通ずる光の橋の上で、彼らは四大天使のひとり――クラトスと対峙していた。その姿を視界に納めつつ、私は、ほんの数分前に彼らに倒されたのであろうモンスターの生々しい死骸が散乱する階段を駆け上がる。
 やはり、悪い予感は的中したようだ。
 クラトスが、更に彼らを制す。

「そうはいかん! 今、デリス・カーラーンのコアシステムが答えをはじき出した。精霊と契約をすれば、大いなる実りの守護は、完全に失われてしまう!」
「それこそ我らの願うところだ!」

 最後の一段を蹴り上げ、その瞬間に、クラトスに向かって右手を突き出し、電気を帯びたマナの塊を放つ。すぐに私の存在に気付いたクラトスは、慣れた身のこなしでひらりとかわした。勿論私も、端から命中するなどとは思っていなかったが。
 突然私が出てきたことに驚いている彼らの横を通り過ぎ、私はロイドとクラトスの間に割って入るようにして立った。

「わからないのか! おまえの望む結果は得られん!」
「黙れ! この機会を逃すと思うか!」

 お互いに、語気を荒げる。こんなことは、滅多に無いことだ。
 言い終わってから、右のてのひらにマナを溜める。紫色に輝く雷の力を帯びたマナは、びしびしと火花を散らしながら、少しずつ色の濃さを増してゆく。クラトスが露骨に眉を顰めた。

「ロイドよ! こいつの相手は私にまかせろ! おまえたちは一刻も早く、光の精霊との契約を済ませるのだ!」

 相手から目を逸らすことなく、きつく睨み付けながら叫ぶと、後ろで空気が動くのを感じた。彼らは黙って走り出し、転移装置の向こうへと消えた。
 息が詰まる程に、重い沈黙。
 その沈黙を破ったのは、溜め息交じりの低い声。

「……なるほど。先程の電撃は、私を転移装置から遠ざける為か」
「そのまま痺れてくれた方が、私としてはありがたかったのだが」
「そこまで間抜けではない」

 おまえの息子はトリエットの入り口であっけなく痺れて倒れたそうだが、という冗談すら、言える雰囲気ではなかった。
 無感動な瞳が、私を刺す。この男のこわいところは、剣の技量もさることながら、その“なにを考えているかわからない”ところにある。普段から無表情のクラトスからは、窮地に至っても焦りが見えずボロも出ない上、攻撃にパターンが存在しない(あったとしても、そのパターン数は限り無く大きな数字になるのだろう)から、次の行動が全く読めない。
 味方としては、これほど冷静な剣士は頼もしい限りだが、敵対するとなると、最も戦いにくいタイプの相手となる。
 しかし、今は倒さずとも、牽制だけ出来れば良いのだ。
 彼らがルナと契約するまでの時間、クラトスを此処に足止めすることさえ出来れば良いのだ。足止めとは言っても、油断のならない状況なのは確かだが。
 マナの塊を霧散させ、代わりにダブルセイバーを取り出す。クラトスが、少しだけ身構える。

「いつからそのように物騒なモノを持つようになったのだ? ユアン」
「いつまでも魔術だけに頼っている訳にもいかなくてな」

 大きな溜め息。呆れか、諦めか、或いはそれ以外の感情が複雑に絡み合ったような、深い、不快な溜め息。

「大いなる実りの守護を解くということ……どういうことか、わかってやっているのだろうな」
「貴様とて、この歪んだ世界をこのままにしておこうとは思うまい。ミトスのやり方は、間違っている。あれは――」
「『マーテルの遺言を歪んで捉えた結果』……か?」

 ――差別の無い世界が見たい。
 かつての恋人は、死に際にひとことそうとだけ言い残して、ほんとうにあっけなく私の手の届かない所まで行ってしまった。

「歪んだものを、私は私のやり方で、正そうとしているのだ」
「……」
「クラトス」

 転移装置を背にして、ざき、とダブルセイバーを構え直す。物々しい両刃の剣は、やはり何度持っても重く感じる。
 命を奪い得る可能性。そして、奪われた命があるという事実は、これほどまでに武器を重くさせるのか。
 魔術は、遠距離から、特に何の手応えも無く、対象の命を奪うことが出来る。その行動に、あまり現実感は伴っていなかった。直接斬りかかる場合と比較するなら、現実感は皆無だったと言っても良い。
 私は剣を持って命あるモノを斬り、手の中の得物を血で濡らしてはじめてその“重み”に気付いた。それまで気付かないなんて、私はなんと愚かしかったのだろう。
 ――こうして対峙しているあの男も、私と同じ重さを感じているのだろうか。
 一息おいて、私は言葉を続ける。

「おまえは、なんの為に戦う?」
「……」

 質問には答えず、代わりに軽く視線を逸らしたかつての仲間は、その腰に吊った鞘から慣れた手つきで剣を抜いた。その立ち姿には、歴戦の戦士の風貌、闘志みなぎる威圧感があった。
 ――あの頃となにも変わらない、見るものを戦慄させるほどの身のこなし。

「――時間が無い。突破させて貰う!」

 刹那、剣先のぶつかる高い音が響いた。


 スピードの乗った剣の感触は重く、弾くのもやっと、という形勢不利の状態から戦闘は始まった。

「閃空裂破!」

 舞うようにして斬りかかって来る剣を避け、反撃に出る。が、私が振りかぶっている間にガード体制に入られてしまい、攻撃はやすやすと捌かれた。重い剣はすぐ疲れる上に、攻撃後の隙が大きくなるから、単独戦闘になった場合、特に長期戦になると、ことごとく不利になってしまう。わかっているが、しかし、この状況で短期決戦は極めて難しい。
 クラトスが間合いを詰めてきた。

「風迅剣!」
「……ッ!」

 ガードが少し遅れた所為で、私の身体は空に弾かれた。体制を整えて着地するが、クラトスは容赦無く踏み込み、何の迷いも逡巡も無く斬りつけてくる。

「く、貴様、本気かッ!」
「おまえに魔術を使われると厄介だ。――これでも、おまえの魔術の腕前は評価している」
「何っ……うわっ!」

 今この状況で、そんなことを言われても嬉しく無い――と言ってやりたかったが、言える立場にも状態にも無い。縦に落ちて来た相手の斬撃をバックステップでかわしつつ、ガードの態勢に入る。力押しとは縁の無い、スマートな戦い方をしていたクラトスからは考えられない猛攻。
 何か。何か、何でも良い。逆転する術は。

「――これで終わりだ!」
「――何を勝手に!」

 クラトスが大きく振りかぶり、同時に、私は大きく跳び上がった。

「閃光墜刃牙!」
「翔破爆雷陣!」

 着地後、すぐに魔方陣が展開され、雷撃が起こる。しかし、クラトスは意に介さぬ様子で陣の中に突進し、無防備になっていた私の身体を回転斬りで浮かせ、中途半端なガードの態勢に、強威力の突きを入れて来た。
 私は、地に突き立てたダブルセイバーの真横に倒れた。立ち上がろうとするが、うずくまることしか出来なかった。
 その瞬間を逃さず、ひたり、と首筋に当たる無機質な冷たさ。それが、クラトスの持っている剣のものだと気付くのに、そう時間は掛からなかった。

「――訊こう、ユアン」

 剣と同じく、冷やかな声が落ちてくる。

「“おまえは、なんの為に戦う”?」

 ひとことひとこと、噛み締めるような発音で、クラトスは言った。

「――私は」

 なんの為に?

「マーテルの為に、マーテルの望んだ世界の為に、戦う……!」


To Be Continued... (C)KERO Hasunoha 初出:2005/05/31
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あとがき。
じつはこれで高校生時代の作品はおしまいになります。若気の至りも終了のお知らせだぜ!
パニック! - ゲーム攻略・裏技 -さま(当時は「ゲーム攻略・裏技」というサイト名でした)にて投稿。

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[ 2009/04/29 03:26 ] 小説系 | TB(0) | CM(0)

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