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あとちょっとだし! 

どうせなら今日のうちに全部恥を晒しておくことにした。受験終わってから書いた二次創作だよ!
受験期にTOAが発売されて、買ってしまって、受験終わるまで開けないって言ってたのにパッケージ
開けて、おもっくそ怒られながらゲームしてました。萌えたぎってたくせによく国立受かったよ私。
てなわけで、TOA二次創作です! ぬるいルクティアで、擬音が好評でした! ネタばれは(ry

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この素晴らしい世界に挨拶を――テイルズオブジアビスより
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 そして、二人の未来が重なればいい。

 酷い話だ。まるで全部夢だったらいいのに、と今でも本気でそう思う。
 レプリカの大量生産、栄光の大地・エルドラント――ホド・レプリカの浮上、レムの塔での瘴気中和、そして、それに伴う数え切れない犠牲の数々。
 もう随分と、色々な――ものや、ひとや、ひとの思いや、そんな風な『色々』を、俺たちは背負ってしまった。
 ――正確には、俺、というべきだろうか。
 同じ光景を、何度も、何度も夢に見る。それは、タルタロスの船橋だったり、シェリダンだったり。或いは、アクゼリュスであり、レムの塔でもある。
 早くお行き、と叫んだシェリダンの老技師や、最期まで同胞たちの行く末を案じて消えた金の髪のレプリカ。他にも、たくさんのことを、たくさんのひとのことを、夢に見る。
 忘れるな、といわれているようで、最初は怯えた。冷たい床に寝かされているような感覚に、飛び起きる夜が幾夜もあった。それなのに身体だけが妙に熱くて、吹き出る汗は止まってくれなかった。魘(うな)されて、ガイに起こされた時もあった。ガイは心底心配そうに、大丈夫か、と声を掛けてくれたけれど、それに応えようとしても、乾いて強張った唇では何もいえなかった。目が覚めると、頬を涙が伝っていた、なんてしょっちゅうだった。
 でも、俺はもう怯えたりしない。夢に出てくる全ては、忘れるな、なんていわれるまでもなく、忘れてはいけないものだった。今は、その全てに、勇気をもらえる。その全てに、報いるだけのことをしようと思っている。全ての望みを叶えられる訳じゃないけど、俺にできることを、俺にしかできないことを、やり遂げようと強く思える。
 俺にできること、俺がやらなければならないこと。
 たとえ、命と引き換えになっても、俺にはやらなければならないことがある。


「作戦決行は明日正午です。兵士たちには、それまで24時間の自由行動が許可されています」
「それなら、私たちも自由行動にしない?」
「良いですが、……ケセドニアから、あまり遠くへ行ってはいけませんよ?」

 ヴァン討伐作戦。その詳細を、ジェイドが(軍人らしく馴れた口調で)説明し終わると、各自で自由行動する、という流れになった。何をするあても無くて取り敢えず、一番近しい幼馴染――ガイを呼ぼうとしたら、ガイは早々と道を歩き出していた。その背中に何となく声を掛けにくくて、結局、ガイに続いて歩き出したナタリアやアニスにも、声を掛けそびれてしまった。どうしようかと目を泳がせると、意地の悪い笑み――おやおや、ルーク、お友達に置いてきぼりにされてしまいましたねぇ、でも私だってこどものお守りなんかごめんですから、話しかけないでくださいね~、とでも言い出しそうなくらい意地の悪い笑顔――を浮かべたジェイドと目があった。馬鹿にされているのがあからさまにわかってしまう辺り、情けないというかやるせないというか。

「ルークは、どうするの?」

 突然掛けられた声に、心臓が跳ねた――いや、別に突然という訳ではないのだけれど。声の主は、少しだけ首を傾げてこちらを見ている。

「お、俺は別に……」

 もっと気の利いた受け答えは無いのか。ましてや相手はティアなんだし……って、何考えてるんだ俺、と自分を叱咤するが、しかしあてが無いのも事実だった。私も……、とティアが何か言おうとしたときに、道の向こうからノエルが元気に走ってきた(というよりたぶん、みんな元気じゃないノエルなんて見たことが無い)。

「ルークさん、ティアさん、私にちょっと付き合ってくれませんか?」

 ちょうどいい、とふたつ返事で返すと、ティアも異存は無いようで、ノエルの後に続いた。
 ……ティアは、ただ暇をもてあましていただけだったんだろうな、なんて、また妙なことを考えながら。


 俺とティア、それに何故かついて来たミュウ(いわく、ご主人様の傍にいるですの!)を乗せて、ノエルの操るアルビオールは、輝く月を右手に見ながら離陸した。窓から見える月は、まんまるで、眩しいくらいの光を放っている。

「何処へ行くの?」

 不思議そうに訊ねたティアに、ノエルは屈託もなく笑いかけた。

「アニスさんから聞きました。作戦が始まるまでに、アルビオールはケセドニア近海で待機するのだと。それで、離水の訓練と、万が一、対空砲火で墜とされた場合を想定しての着水の練習をしようと思いまして」
「じゃあ、私は何をすればいいのかしら」
「いえ、飛んでいる時間の方が長いので、ティアさんたちには夜間飛行に洒落込んで貰おうかと。あ、でもシートベルトはしていて下さいね、危ないですから」

 ノエルも、緊張しているのだろう。エルドラントへの突入は、パイロットにとっては大仕事の筈だから。
 ぐうん、とアルビオールの高度が上がる。それに伴う圧力が、体全体にのしかかるように降ってくる。例えるならばそれは、バチカルの昇降機が動く瞬間の感覚に似ている、と、はじめてアルビオールで飛んだときに、俺は思った。
 バチカル――あそこは故郷、と呼んでいいのだろうか。とにかく、俺はバチカルのことを思うと、少し複雑な気分になる。自分がレプリカだと知るまでは、あたりまえのようにそこにあって、俺のいるべき場所はバチカルのファブレ公爵邸だった。そう、『だった』のだ。今の俺にとってバチカルは、ナタリアの父が王様をしているキムラスカの首都で、ゆくゆくはナタリアとルーク……オリジナルルーク、今のアッシュが治めるはずだった街なのだ。
 アッシュ。そういえばあいつとは、結局グランコクマで喧嘩別れしたままだった。お前は俺の代用品なんだよ、としきりに言っていたアッシュ。それがあいつの本音なんだろう。オリジナルなんだから、理由なんか必要なく、そう思いたいのは当然だと思うけど。自分が本当の、唯一の『ルーク』であると、認めて欲しいと思うのは当然かもしれないけれど。
 俺だって、認めて欲しいんだよ。
 ただ、そこにいるって、いていいんだって、認めて欲しいんだ。
 うっとりとティアが、きれいね、と呟いた。そうだな、と言いながら、俺は思考を打ち切った。


 上昇、下降、着水、離水を繰り返して、アルビオールは静かな夜の海を飛んだ。
 降下します、と、ノエルが言って、アルビオールは何度目かの急降下の態勢に入った。きゅうん、と風を切るように一直線に水面を目指すアルビオール。
 不意に、がくん、と、妙な衝撃が足に伝わった。着水の衝撃とは明らかに違う振動に、ティアも少し驚いたような顔をした。着水した機体が大きく揺れる。

「どうしたの?」
「何か……岩、でしょうか。擦ってしまったようですね。ちょっと見てきます」

 ノエルが船底に向かうと、妙な沈黙が降りた(こんなときに、ミュウがいつもどおりみゅうみゅう言ってくれていれば良かったのだが、残念ながら今はティアの膝で眠っている)。
 ぼうっと、月の海を眺めるティアの横顔を盗み見る。もともと色白の肌は、月明かりにいっそう透き通るようで、いっそ消えてしまいそうだった。海の蒼の反射を受けて、瞳の青もいつもよりも深みを増している。かなしげなディープブルー。その瞳の裏に、彼女は何もかも押し込んで此処まで来た。かなしみも、痛みも、つらさも、何もかも全部、隠したまま。まるで海にでも沈めるかのように。
 そしてまた、彼女は兄であるヴァンを討つことで、沈めて背負うものを増やしてしまう。

「……なに? ルーク」

 訝しげに、ティアがこちらを見ている。
 やばい、と思ったときにはもう目が合っていた。盗み見るつもりが、しっかりまじまじと見てしまっていた。うわ、顔から火が出そう。

「な、なんでもねぇよ! そ、その……」

 ティアがあんまり綺麗だから見惚れてしまった、なんて、どうして言えるだろう(ガイなら素で言えるのだろうけど)。
 ていうか、やばい、やばいって! 言葉続かねぇよ!
 内心あたふたしている俺に、ティアはくすり、と、いつものゆるい微笑みを浮かべた(今、心臓が口から出そうになった)。

「……やっぱり、ルークでも緊張しているのかしら?」
「ルークでも、は余計だ。そういうティアだって、緊張して無いわけじゃないだろ」

 ティアは、膝の上でチーグルの仔をなでながら、相変わらず穏やかな顔をしている。――表面を繕うのが上手い、ティアらしい。
 でも、その笑顔はときに痛々しくて、俺はいたたまれなくなる。今の笑顔だって、そういう類の笑顔だから。

「ティア、お前またなんか無理して……」
「ふみゅうあ!」

 びょんっ。べちゃり。

「ううわあ!」
「ミュウ!」

 恐る恐る目を開けると、目の前には青くて短いふわふわの獣毛があった。ていうか、『びょんっ』って、この跳躍力は何処から出たんだミュウ。いやそれより、人の顔に『べちゃり』って張り付くのは。

「……はっ! ごっごごごごめんなさいですのご主人様! ボク、なんだか寝呆けてしまっていたですの!」
「わ、わかったから、耳元で騒ぐな! とにかく俺の顔から離れろって!」
「ごめんなさいですの! ごめんなさいですの!」

 なおも顔に張り付いたままのミュウをべりっと(『べりっ』っていうのもどうかと思うが)剥がすと、ティアは声を殺して笑っていた。

「わっ、笑うなよ!」
「ご、ごめんなさい、つい……!」

 と言いつつ、笑いは止まらないようで、なおも肩を震わせている。
 笑われるのは癪だけど、ちょっと安心した。大丈夫、ティアはまだ笑っていられる。


 少しして、ノエルが戻ってきた。ちょっと補強しなきゃならない箇所があったらしく、ミュウを貸してくれと言ってきた。狭い所の修理なのだそうだ。俺とティアも手伝いを申し出たが、丁寧に断られてしまった。アルビオールは、見た目はでかいけど、精密譜業機械の塊みたいなものだ(と、熱っぽくガイは語っていた)。きっと専門家でしかわからないことがあるのだろう。
 だから俺たちは、ノエルの提案にしたがい、アルビオールのハッチから上に出て、ガラス越しではなく肉眼で、海を眺めることにした。

 よく見ておこう。目に焼き付けておこう。
 この世界は美しかったと、やっと気付くことが出来たのだから。
 この世界には、尊いなにかがたくさんあるのだから。
 だからこそ、できるなら、消えたくなんて無いけれど。
 それでも俺が消える時、せめて、思い出すのがこの夜であればいい。

 ちらりと隣のティアを見遣る。そう、できるなら、できることなら――



Fin. (C)KERO Hasunoha 初出:2006/03/09
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あとがき。
作中でノエルがアルビオールの破損を訴えてますが、あれはルークとティアを二人きりにする為の
口実です。きっとアルビオールは壊れてません(ぇ
パニック! - ゲーム攻略・裏技 -さま(当時は「ゲーム攻略・裏技」というサイト名でした)にて投稿。

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[ 2009/04/30 03:44 ] 小説系 | TB(0) | CM(0)

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