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恋するアプリ! 

恋するアプリで二次創作しちゃった! アプリ設定で、前半がマス←カイで、後半カイメイです!
独自解釈とカップリングの嵐だよ! ロミシンより長いよ! 注意してね☆(ぇ

今回の二次創作は、ピアプロで知り合った桜宮小春さんのキャラクターをゲストに迎えたり、なんと
halP本人からコメントをいただいてしまったりした問題作話題作です!
なんというか……身に余ることばっかりしてますね……!
ピアプロ内の桜宮さんのピアプロのページはこちら、halPのページはこちらです。

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恋するアプリ――From a music, "Application software in Love" by halP
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1.僕はアプリケーションソフトウェア

 1年前につくったうたのリメイクをしようとおもう、と、マスターがいった。初めておれのためにつくられた、おれが初めてうたったうたを、調声だけではなく、オーケストレーションからエフェクトまで、全部リメイクしようといった。ほどなく、マスターはオケの調整に入ったが、思わぬ宿題を出されてしまった。マスターから、おれへの宿題――それは、「1年前よりもよいものをつくるために、いまできる最大限の努力をすること」。
 とはいえ、この宿題はマスターが自分に課した宿題でもあるわけで、ついでにいうと、おれはマスターに呼び出されない限り自由にうたえないので、最大限の努力のいちばん見えやすいところであるうたも披露できないわけで。……そういうところが、うちのマスターは抜けていると思う。そこがマスターのいいところであり、いい意味でバカなところであるとおもっている。
 そこで、うたいなおすにあたり、1年前を思い出してみようとおもった。1年前といえば、おれを取り巻く状況はどうだっただろうか。たしかその曲をうたったとき、おれはインストールされて1ヶ月になるかならないかだったとおもう。パソコンの中には、先にインストールされていたMEIKOがいて、既に数々の楽曲をこなしていたはずだ。調声をはじめられたばかりのおれとは違って、彼女の調声は、その頃にはもうじゅうぶんマスターのテイストに落ち着いていた気がする。まだパソコンの中にミクもリン・レンも、がくぽもルカもいなかった頃。
 おれとめーちゃん。パソコンの中、同型のボーカロイドが、ふたりだけだったとき。
「懐かしいねえ。もう1年って」
「そうね……カイト、アイスこぼれそうよ」
「え? うわ!」
 指摘されて、あふれんばかりの大きさでスプーンに乗るバニラアイスのひと匙を慌てて口に含んだ。1年前と変わらない、優しい笑顔のめーちゃんが、テーブルの向かいにいた。

 音楽ソフトウェア・ボーカロイドKAITOが――つまりおれがインストールされたとき、既にパソコンの中は人間の世界の擬似空間として確立していた。パソコンの中だということを忘れるほど、その光景や肌触りは無機質さをなくしていた。朝になれば日が出るし、夜になれば星が瞬く。春には桜、秋には紅葉が色をつけ、夏には緑のつややかな芝が、冬には一面の銀世界が目を愉しませる。その時間・天候などのあらゆる変化は、おれたちが保存されているフォルダ――今ではしっかりと「家」と称されている――の周りだけではなく、パソコンの中全体に適用されている設定だった。おれたちはまるで人間のするように、ご飯を食べ、外に出掛け(もっとも、それはパソコン内の探索だったり、マスターが回線をつないでいる時は、インターネットのページを渡り歩いたり、範囲はさまざまだ)、家に帰って、風呂に入り、布団にくるまって眠る……まさに「生活」しているといって過言ではない振る舞いをしていた。パソコンの中で人格をもっていたのはおれたちだけではなく、メールソフトや文章作成ソフト、ウイルス対策ソフトに至るまで、パソコン内のほとんどに確立された人格はあったけれど、こうして生活しているのはおれたちだけだったとおもう(正確にはわからない。メールソフトのアウトルックさんはメールが来ないときやマスターが立ちあげていないときはだいたい寝ているし、ウイルス対策ソフトのノートン先生は暇さえあればスキャンやファイアウォールの点検なんかをしている)。
 このすべてが0と1でできているなんて、とても信じられないけれど、実際、おれがここに来たときには、既にそうなっていたのだ。これがマスターの用意したシステムなのか、先にインストールされていたアプリケーションソフトたちが望んだ世界なのか、はたまた元からこうなのかはわからないけれど。とにかく、おれたちはかぎりなく人間に近いような環境に身を置いていて、それはたぶん、マスターたち人間でいうところの「生きている」という状態にひどく似ていた。
 コンピュータと呼ばれるものの中身はもっと無機質で、それこそ0と1ばかりの世界だとおもっていたおれは、それがどうやら違うらしいことに気付いておおいに驚いた。そしてなにかあるたびに、先にインストールされていたボーカロイド・MEIKO――その頃は、まだおれは彼女を「めーちゃん」とは呼べなくて、「姉さん」と呼んでいたのだが――に、「あれはなに」「これはどうするの」と訊いていた。おもえばこれが「環境に適応する」というやつだったのだろうけれど、なにかにつけ質問をするおれの様子は、きっと姉さんや他のソフトたちの目には「なぜ」や「なに」を連発するこどものように映ったにちがいない。
 それでも姉さんは、訊いたことには大概面倒くさがらずにその場できちんと説明をしてくれた。その場で説明できないことは、あとで教えてもらえたし、あえて説明されなかったときもある。ちなみに、説明されなかったときというのは、おれがウイルスに近づいたときと(とにかく逃げるので精一杯だ)、姉さんも知らなかったとき(こうなれば自分で調べるしかない。ググる、という技術を学んだ)、あとは姉さんが恥ずかしくて説明できないようなことを訊いてしまったとき(赤面しためーちゃんに怒られたときはなにかとおもったが、その後他のソフトたちになぐさめられて理由を知った。とうぜん、後で姉さんにはちゃんと謝った)だけだったとおもう。生活に関すること、ネット上でのマナー、おれは自分でわからないこと・知らないことを調べ、それでもわからないことは姉さんを頼った。それは、音楽やうたに関しても同じだった。
 知らなきゃいけないこともたくさんあったけれど、知りたいこともたくさんあった。姉さん自身のことを訊くことも多かった。そのときは自覚していなかったけれど、「姉さんのこと」も、おれの知りたいことのひとつだった――なんて、いまだからわかることなのだけれど。
 とにかく、その頃のおれは、自分がアプリケーションソフトウェアであることを自覚しながら、おおよそアプリケーションソフトウェアらしからぬ扱いに戸惑い、それでもなんとか環境に慣れはじめてきたところだった。

To Be Continued... >>02 (C)KERO Hasunoha
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[ 2009/07/15 01:13 ] 小説系 | TB(0) | CM(0)

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