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迷える羊と羊飼い! 

ピアプロで完結したのでこっちにもうぷー。
KAITO性転換亜種(KAIKO)とMEIKO性転換亜種(MEITO)がいるよ! 注意!

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迷える羊と羊飼い――Lost sheep and Lost shepherd.
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1.迷える羊飼い

 俺は必死だった。何かから逃げるようになんて形容じゃねえ。実際全速力で逃げていた。
 俺はばたばたと廊下に飛び出し、姉貴がいるだろうリビングに駆け込んだ。
「姉貴いいいいぃぃぃ!」
「わ、なによメイト。ていうか、廊下走らないでよ、うるさいから」
 俺が飛び込んでいくと、姉貴はいつものあの青い男と茶なんか飲んでまったりしていた。俺がこんなに苦労しているというのにこの姉は、という思いと、てめえの妹なんとかしやがれこの青いの、という思いが混じり、なんとも抑えきれない衝動が声になって出る。
「あの女なんとかしてくれ!」
「あ、あの女……って?」
「兄さまああああぁぁぁ!」
 その瞬間、同じく部屋に飛び込んできたのは件の女。黒の衣装をひらひらとはためかせて、自らの兄の白いコートにタックルをかまし、その椅子ごと青い男を押し倒した。ごちん、と、派手に、かつ、すっげえいやな音がした。
「いった……痛いよカイコ、どしたの?」
 自分も起き上がりがてらぐずぐずと洟をすするカイコをも抱き起こす、この青い男もなかなかしたたかである――というか、単に姉貴慣れしているだけかもしれない。姉貴の愛情表現は力強くて痛いからな……。それより、後頭部強打を「痛い」だけで済ませてしまうその神経は大丈夫なのか。
「めーくんがあたしをいじめます、鬼畜ですう!」
「鬼畜……? めーくん、カイコになにしたの……?」
「ちょ、待てカイト! そいつの言うこと真に受けんじゃねえ!」
 ミクやリン・レン、ルカやグミに対しても「兄」のポジションが板についてきたカイトは、カイコについても違和感なく兄貴業をやっている。というか、兄を通り越してもはや「父」だ。俺を見る目に敵意がにじんでいるあたりが特に父性の権化だ、あれは「お前みたいな馬の骨に、ウチの娘は嫁にやれんぞ」的な目で……ってちょっと待て、誰が誰の嫁に来るって? お断りだ、そんなの!
「兄さま、あんなへそチラの変態に耳なんて貸してはいけません!」
「なんでへそ出してるだけで変態なんだよ!」
「女の子のへそならまだしも、男のへそなんて、兄さまとレンくんの以外萌えません! めー姉さまのまねっこのくせに! べーっだ!」
「てめーだって別のキャラクターの格好真似てるくせによく言えたもんだ! ま、ぺたんこじゃないと着れない服だしな、俺とは違ってお前はその衣装がお似合いだぜ?」
「ひ、ひっどぉい……! 兄さま、あれがめーくんの本性です、いじわるめーくんなんです!」
 またも涙目になりながらカイトに縋りつくカイコの頭を撫でながら、カイトは厳しい顔をした。
「……めーくん」
「な、なんだよ」
 さすがにカイコの実兄の前では言い過ぎたか。放たれたカイトの声は、重みのある低さだ。慌てて姉貴を横目で覗うと、我関せずと言った風にお茶を飲んで、次のPVの台本(だろう、たぶん)を眺めている。やっべ、この雰囲気、俺怒られるんじゃね? 久々にカイト怒るんじゃね? 内心びくびくしながらカイトの次の言葉を待つ。カイトの口が開いた。
「……大事なのはおおきさじゃないよ」
「マジ顔して何をさらっと変態発言してんだお前!?」
 思わず突っ込んでしまったが、姉貴は茶を噴いていた。
「まあおっきいのが好きなきもちはわからなくもないけど、おれとしてはかたちとか弾力とかが重要なんじゃないかと思うんだよね。その点めーちゃんは満点だよ。おっきいけどかたちはきれいだし、ふにふにしてやーらかいし、おまけに感――」
「――カイト、ここはピアプロよ、いい加減になさい!」
 姉貴が渾身の力で放った、テーブルの向こう側から身を乗り出しての右ストレートは綺麗にカイトの左頬に決まり、見事にカイトをフローリングの板に沈めた。……咄嗟に身をかわしたカイコの身のこなしを褒めるべきか、何度鉄槌を食らっても自重を知らないカイトを蔑むべきか。お前いつか前歯折れるぞ、マジで。ていうか姉貴、それは言っちゃダメだろ、一応物語の登場人物として。
 当の姉貴は顔を真っ赤にして怒っていて、カイコはその理由を知ってか知らずか(知らないでいてくれた方が、俺としても精神衛生上ありがたい)、おろおろと姉貴を見て「めー姉さま?」なんて甘えた声をかけている。姉貴はその声で我に返ったのか、カイコににっこりと笑いかけた。
「……さて、メイト、カイコ。何があったのか説明してもらおうかしら?」
 その笑顔の裏に、般若か鬼神を見たのは、俺だけだろうか。

 ことの起こりなんて、たいそうなことはなにもない。しいて言えば、もともとカイコが俺にべたべた触りたがったり、必要以上にくっついてきたりするのは、日常茶飯事だ。しかし、それがエスカレートしたのは、俺が楽譜を貰って以来の話だ、と思う。
 数分前を思い出す。俺はいつものように自分の部屋で自分の譜面の上のおたまじゃくしたちを追っていて、カイコもいつも通り俺の部屋で楽譜を読んだり俺にちょっかいを出したりしてきていた。
「めーくん」
「なんだよ」
「おなかすいたねえ」
「そうだな、おなかへったな」
「めーくん」
「なんだよ」
「めー姉さまとカイト兄さまは仲良しよね」
「そうだな、仲良しだな」
 もう既に会話なんて適当である。
「めーくん」
「なんだよ」
「うたいたいねえ」
「そうだな、うたいたいな」
「……そうだよね、うたいたいよねっ!」
「そうだ……あ?」
 適当に流していたが故の反応の遅れだ、これが割と致命的だったと言わざるを得ない。
「じゃあ、今日こそ一緒にうたいましょう! さあさあめーくん、うたいましょ!」
 実は、俺がマスターから曲を貰ってここ一週間、この女、ことあるごとに「一緒にうたおう」「デュエットしよう」と五月蠅いのなんのって。それが四六時中ずうっと俺にべったりな上にこの調子なのだから、いい加減俺も堪忍袋の緒が切れるってもんだ。
「あのなあ……俺、今回ソロでうたうの。練習時間が要るの。つーかテメーとデュエットの楽譜じゃねえの、知ってんだろ? テメーにひっつかれてっと譜読みの邪魔でしょーがねえ」
「そんなこと言って、ほんとは一緒にうたいたい癖に。いいのよ、その曲じゃなくても童謡でもちょっとでもなんでもいいから、とにかくあたしはめーくんと一緒におうたがうたいたいのっ!」
 随分前から口を開けばめーくんめーくんと小五月蠅い女だと思っていた。べたべたとスキンシップ過剰だと何度言って聞かせたことか。それでもまだ可愛げがあるものだから、迂闊に手なんか出ようもんなら男が廃るというもの。だけど、そろそろ耐えられない。もう限界だ。もう、頼むから……!
 そっとその肩に手を触れると、小動物のような青い瞳が俺を見据えた。
「……カイコ」
「めーくん……」
「……いつまで俺の腹ァ触ってるつもりだこのアマあああああ!」

「……で?」
 おもしろくなさそうに続きを促したカイトに、俺は逆にきょとんとして言い返す。
「で、って? それでこいつ蹴飛ばして、ヒスりやがったから逃げてここきたんだけど」
「だって、ひどいですよね、めー姉さま! 暴言吐いた上に、女の子を足蹴にして!」
 なぜかひどく疲れた風の姉貴は、カイコの声に一応の反応は示したが、しかしその反応もなげやりだった。
「メイト、ただの痴話喧嘩にしかきこえないわ」
「めーちゃんの言う通りだよ、めーくん。カイコも。そーいうのはいちいち報告しなくていいからよそでやんなさい」
「なっ……!」
 誰が誰と痴話喧嘩だと!?
「そ、そんな、兄さままで……」
 ってなんでお前はそんな嬉しそうな顔してんだカイコ。
 ……ああ、なんか腹立ってきた。姉貴もカイトも色恋ボケしたんじゃねーの!?
「――とにかく、迷惑なんだよ! お前といると疲れるし! お前俺の腹触るし!」
 大声で吐き捨てると、カイコはびくりと身を竦めた。姉貴とカイトも目を丸くしている。勘違い女のカイコだけならまだしも、姉貴もカイトもなんでそんな意外そうな顔してやがんだよ。ああ、余計に腹が立つ!
「お陰で練習もできやしねえ! 俺がいまの楽譜のレコーディング終わるまで、俺の部屋立ち入り禁止! いいな!」
 一方的に言って、カイコを置いて部屋を出た。
 腹立たしさが募ってどうしようもないくせに、心のどこかに残るこの罪悪感はいったいなんなのだろう。

To Be Continued... >>2 (C)KERO Hasunoha
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亜種には手を出すまいと思っていたのに……! 後悔はしていない。反省はしている。
……斜め上の努力に定評のあるうp主です。
血迷った結果がこれだよ! ゆっくり亜種っていってね!

メイトさん、カイコちゃん相手にモヤモヤするの巻。

今回のお話は、西の風さんの作品「恋の歌を歌おう」へのアンサーテクスト……
の、筈が、なぜか(またも)斜め上の努力をしたつんばるです。
なぜギャグのノリで書こうとする、なぜ亜種で書こうとする! ……すみません。

メイトさんもカイコちゃんも初書きです。個人的にめーくんは兄さんより漢前だと
思うのですが、なんで私が書くとこうも……ヘタレ臭が……!(悔
カイコちゃんは変態カワイイがデフォルトだと思ってます。美しければそれでいい。

そんな感じですが、うちのメイトさんとカイコちゃんに、どうぞお付き合いください。

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[ 2009/07/15 03:24 ] 小説系 | TB(0) | CM(0)

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