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たなばたネタ! 

たなばたネタを、月遅れに、しかも1夜で書きあげるという暴挙をやってのけたものを再録!
そして再録は冬になるというなんとも情けない話! でもいいの。とりあえずうpするのが大事。

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The Seventh Night of August ―― The star festival in old calendar.
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1.七月七日

「かいとくん、禁アイスと禁欲と禁MEIKO、どれがいちばんつらい?」
「なんですか、藪から棒に。それに禁メイコってなんですか」
「えーと、MEIKOを見ない、MEIKOと喋らない、MEIKOに触らない。うちのめーこさんに限らずMEIKO全般ね。動画もNG」
「それおれにとっては禁欲と一緒じゃないですか! 無理! それ無理! 耐えられない!」
「よし、じゃあかいとくん、きみにはこれからしばらくのあいだ、禁欲……もとい禁MEIKOを命じる」
「はぁ!?」

「めーこさん」
「はい、なんですかマスター」
「禁酒と禁欲と禁KAITO、どれがいちばんつらいかな?」
「禁酒はわかりますけど、禁カイトってなんなんですか」
「うん、KAITOを見ない、KAITOと喋らない、KAITOに触らない。うちのかいとくんに限らずだよ」
「うーん……カイトと一緒に生活している以上、それは難しいと思うんですけど……あ、でもつらいかどうかでいうなら禁酒がいちばんつらいかなあ……」
「うん、わかった。じゃあ、めーこさん、これからしばらく禁酒で」
「え、なんで!?」

「どういうことですの?」「どういうことなの?」「どういうことお?」「どういうことだよ?」
 きれいにハモった声の主は、ウチのるかさん・初音さん・りんちゃん・れんくんの4人のものだ。ここまできれいにそろうと、マスターとして鼻が高い、なんて思いながら、私はいぶかしげな彼らと向かい合っていた。
「や、ちょっと考えがあって、下準備。若干きまぐれの思いつきなんだけどね」
 正直に言うと、緑のツインテールと桃色のロングヘアーがぴくりと揺れ、予想どおり噛みついてきた(といっても、彼らはパソコンの中にいるので、実際噛みつけるわけではないが)。
「ねえさまから大好きなお酒を奪っておいて、なんて言い草ですの、マスター!」
「きまぐれの思いつきでお兄ちゃんを追いだしちゃったんですか、マスター! ひどい! 鬼!」
 うーん、うちの年長組は下の子たちによおく愛されてるなー、と思いながら、話を続ける。
「追い出したんじゃないよ、初音さん。かいとくんは先輩の家で預かってもらってるだけだし。だいいち、彼が禁MEIKOするには環境がね、うちでは整わないから。絶対。めーこさんがいる以上、うちにいてめーこさんを見ないわけにはいかないし、ノートパソコンに移したって、どうせあいつ勝手に無線LANの回線開いて動画巡りするだろ」
「あぁ……カイト兄無駄にプログラム知識あるからな……」
 れんくんが若干げんなりした風で同意してくる。そう、ウチのボーカロイドの年長組――めーこさんもかいとくんは、プログラムにやたらとくわしい。それはだいたい私がウイルスやらワームやらを放置しているが故の自衛手段なのだろうけれど。
「うん。かいとくんは、なんだかんだと欲に忠実だからねえ。芽があるなら摘むよ」
 かいとくんの場合、それが自衛だけにとどまらない。一度など、(かいとくんがいうには)「実験的に起こしてみた」というバグプログラムで、ボーカロイドのエディターが通常起動しなくなったことがあるくらいだ。そのバグプログラムを組んで、満足した風だったのはかいとくんだけで、めーこさんも顔を真っ赤にして怒っていた。……本当に、彼はなにをするつもりでバグなんか組んでいるのか到底わからない――いや、思い当たる節はあるのだが、どうせめーこさん関連だろうから、敢えて突っ込まない。かいとくんにめーこさん関連の話題を振ると、話が長くなるのだ。異様に。なぜか。しかし、気持ちはわかる。
「あたし、マスターのそういう徹底的なとこ好きだけど……メイコ姉は大丈夫かなあ」
 りんちゃんが、珍しく怖々といった風で私に話しかけてきた。
「何言ってんだよリン、メイコ姉よりカイト兄の方がダメージでかいだろ」
「そうだよリンちゃん、あのお姉ちゃん命のお兄ちゃんが、2週間もお姉ちゃんに会えないなんて、きっと生き地獄だよ?」
 それに応えたのは、れんくんと初音さんだった。どちらもめーこさんを持ち上げているようでいて、さりげなくかいとくんをこき下ろしている雰囲気を見るに、やっぱりウチのかいとくんは、ヒエラルキーの最下層に位置するみたいだ。……じゃなくて。
「うーん、そこは私もりんちゃんと同じ意見だなー。めーこさんにとってもすごいストレスだろうし」
 実は、りんちゃんの心配していることは、私が心配していることでもあった。
「大丈夫ですわ、お酒がなくてもわたくしたちがストレスなんて吹っ飛ばしてあげますもの!」
 ルカが喜色満面自信満々に言い放つが、そういう問題ではないんじゃないかな、と、思う。
 そう、いうなればかいとくんの「禁MEIKO」は、そのままめーこさんの「禁かいとくん」になるのだ。なんだかんだ言って、かいとくんのことが大好きな ――かいとくんと一緒にいることに安らぎを求めているめーこさんのこと、彼女はきっと大ダメージを食らうだろう。いつもなら酒を飲んでストレス発散もできるだろうけれど、今回はそれすら禁じられている。
 はたして、耐えきれるだろうか。ふたりは。
(……まあ、“プロトタイプ”のあるふたりだから、大丈夫だとは思っているけれども)
 事態は、もしかしたら、七夕伝説の織姫と彦星よりも過酷なのではないだろうか。おりしも、かいとくんとめーこさんが別居生活をはじめ――もとい、かいとくんとめーこさんが顔を合わせない生活をはじめたのは、7月7日。涙雨の降る夜だった。

To Be Continued... >>2 (C)KERO Hasunoha
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タイトルの元ネタは、酒井格作曲の「The Seventh Night of July(たなばた)」へのオマージュです。
たなばたカッコイイ曲なので、こちらも是非! でも、これが元ネタ曲というわけではありません。
というか、この話に元ネタはなかった気がする……。いちおうたなばたは貼っておきましたが!

[ 2010/02/13 19:48 ] 小説系 | TB(0) | CM(0)

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