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あくまでイフだからな! 

ぷけさんがピアプロで連載してた「raison d'etre」というシリーズのif版を頂いたので、嬉々と
ブログに載せまする! で、あくまでイフだからな! ってぷけさんが言ってたので、タイトルが
こんなことになってます。確かに、本編の展開ではありえない話が繰り広げられてるからな!(笑

キャラを掴むのに、先に「raison d'etre」を読んでおいた方がいいかも!
ではでは、ぷけさんファンは正座してどうぞ!

******

 何だか居心地が良くて、気持ちが安らぐ。それは、彼――幼馴染の水沢隆司・・・司くんの近くにいる時の感覚。
 触れられるとその部分が熱を帯びて、胸の奥を何かが優しく突付く。そんな不思議な感覚を教えてくれた、たった一人の人。
 私にとっては家族のような存在・・・だと思っていたのだけど、本当は違っていた。
 司くんがいつもとは違う意味を持った触れ方をした時に、改めてそうと気付いた。
 名前を呼ばれるだけでこんなにも胸がいっぱいになるなんて、考えたこともなかった。確かに彼は私にとって特別で、けれど・・・それは彼が私のヒーローだからだと思っていたのに・・・求められて初めて、私はこの気持ちをちゃんと自覚したんだと思う。
 私は誰よりも、彼を特別に思っていたのだと。


+++++
 raison d'etre -if-
     M e l t
dissolve slowly in...
  +++++


「カイトさんにね、好きだって・・・言われたの。マスターとかボーカロイドとかそういうことじゃなくて、私だから好きになったんだって」
 別れ際になって、ようやく言おうとしていたことを口にした私を、玄関の扉を開けて外へ出ようとしながら見ていた司くんは、暫く黙った後で扉を開けながら「そうか」と言った。
 それはいつもの笑顔と同じ・・・はずなのに、それを見て胸がちくりとしたのはどうしてなんだろう――と、考えている間に、ガチャンと扉の閉まる音がして、ふと暗くなる。
 それは、決して司くんが外へ出て扉を閉めたからではなかった。視界が突然暗くなったのはそれで説明がつくかもしれないけれど、何かに押さえつけられる感覚は明らかに扉を閉めたからじゃない。
 突然のことでわけがわからなかったけど、ぎゅっと腰の辺りを何かに固定されているのを感じてようやく気付いた。司くんが、私を抱きしめているのだと。
 ああ、やっぱり今日の司くんはおかしい。何かがいつもと違う。
「つかさ、くん・・・?」
 何だろう。何があったんだろう。
 今まで司くんが私を抱きしめてくれる時にはそれなりに理由があったのに、今は別にこれといった理由が見当たらない。
 私は不安じゃないのに、どうして。
「――よかったな。お前、あいつのこと好きだろ?」
 優しい声が降ってきて、戸惑いながらも小さく頷く。そうすると、一瞬だけ背中に回された腕に力がこもるのを感じた。すぐにその力はなくなってしまったから、それがどういう意味だったのかはわからなかったけれど。
 司くんは私を抱きしめたままで、また小さく息を吸う。
「俺も安心して向こうに行けるってもんだな」
 ふわっと私を解放して笑う司くんのその言葉に、疑問が浮かぶ。
 今何を言ったんだろう。向こうっていうのは何だろう。
 そのまま何か私に声をかけて出て行こうとする司くんの手を、一も二もなく、思わず掴んでいた。あまりのショックに他の音が聞こえない。
 振り返る司くんが、少し痛そうな顔をしているのが目に映る。
「む、向こうって・・・どういう、こと?」
 どこかへ行くの? 私を置いて行ってしまうの? 嫌だと思うと、今になって涙が目に溜まってきて視界が滲んだ。それを見ると、ますます司くんが痛そうに笑う。
 あたたかい手が私を落ち着けるように、優しく頭を撫でた。
「親父もおふくろもあっちにいるし、俺ももう少し勉強したいこともあるんだ。だから・・・」
 お前なら大丈夫だろ、と言われた気がした。
 司くんは私を助けに戻ってこなかったら、きっと今も海外にいたはずなんだ。それが司くんが選んだ道だったから・・・だから、引き止めてはいけない。私の我侭なんかで、ここに縛り付けちゃいけない。
 大丈夫だよ、と笑って言わなくちゃと思うのに、声が思うように出ずに涙があふれ出る。
 涙を見せたら司くんは安心して行けない。それが許せなくて俯いた。
「う、ん・・・・・・だ、だいじょうぶ、だよ。安心して、行って・・・き、・・・っ」
 口が震えて最後まで言えない。体が内側から引き裂かれそうなぐらい痛くて、熱くて、涙が止まらなかった。
 見えないようにさっと涙を拭って、少しだけ鼻をすする。
 顔を上げると、司くんは少し困ったような表情をしていた。私がそんな風にさせてしまったんだと思うと、自分がとても嫌になる。
 聞き分けの良い子にならなくちゃ、笑って見送らなくちゃ、と思えば思うほど視界は滲んでしまった。堪えているのにどうしても漏れ出る嗚咽に耐えかねたように、腕を引っ張られて抱きしめられる。その時一瞬だけ見えた司くんの顔は、胸がいっぱいで何も言えないような表情をしていた。
「あーもう・・・決心が鈍るだろうが」
 お前は可愛すぎなんだよ、と付け足して私の頭をぽんぽんと叩く司くんの胸は、切なくなるほど大きい。涙が司くんの服にしみ込むけれど、どうすることもできなかった。
 胸が痛くてとても苦しい。お父さんが行ってしまった時とはまた違う、痛みと苦しさ。熱いような、胸を焦がすような。疼くような痛み。
 撫でてくれる優しい手が、私の思考を遮る。
 この気持ちは何なんだろう。そう同じことをまた考え始めた時、「だめだな、俺」と小さな自嘲が聞こえた。ぐっと司くんの服を掴んでその顔を見上げると、彼は苦笑しながら、また私の頭を撫でる。

「――お前のことが好きだ」

 聞こえてきたその言葉に、思わず小さく口が開いた。すう、とその口から空気が入ってきてはじめて、今の言葉が自分に宛てられたものだったのだと知る。
 司くんの真剣な表情から、その言葉が出てくるとは思わなかった。それはまるで――告白、のような。よく言ってくれたその言葉とは意味が全然違うような。
 思わず、火がついたように顔の熱が上がる。
「ごめんな・・・自分で思ってたよりも我慢強くなかったみたいだ」
 さっきの言葉は嘘だったのかと思うほど、司くんはあっけらかんと笑い、「気にすんな」と私の頭を撫でてくる。でも、それが誤魔化すためだということは何となくわかった。私でもわかるほど司くんが自分を隠し切れていないのは・・・初めて見たけれど。
 そしてそれがわかると、さっきの司くんの言葉は本当にそういう告白だったのだとわかって、心臓がさっきよりもうるさくなってきた。離れていても音が聞こえてしまいそうだ。
 司くんは放っておいたらこのまま逃げるように出て行ってしまいそうで、私は必死で手を伸ばして司くんの袖をきゅっと引っ張った。少し驚いた目が私を見つめる。
「あ、わ、私も、ね・・・司くんのこと、好き・・・なの」
「・・・ああ、知ってる」
 すんなりと返ってきた言葉に、少しむっとした。その言葉は、私の真剣な言葉を聞き流しているみたいだ。それとも、私が本気で言っていると思っていないのかもしれない。
 私はもう一度息を吸い込んだ。
「つ、司くんだから好きなの・・・っ、司くんが一番な・・・ふみゅっ!」
「だから知ってるって言ってるだろ」
 今日だけでも、もう三度目になる司くんの胸へのダイブ。押し付けられたところがさっきの涙で濡れていて、少し冷たかった。
 頭の上に、ちゅ、と小さな音と温もりが降ってくる。そこでようやく、今日の司くんにあった違和感が何かはっきりした。
 司くんは、今日は『兄』としてではなく、『男性』として私と向き合ってくれていたのだ。だから、いつもの優しさが、もっともっと響いたんだ。
 小さく笑みが漏れるのも構わず、司くんの背中に手を伸ばす。
「付き合ってください」
 頬を摺り寄せて言うと、上から小さな笑い声。ぎゅうっと苦しいぐらい抱きしめられて、それだというのにすごく幸せだった。
「ばか、それは俺の台詞だ」
 玄関が少しだけ開いていて、そこからいつもの風景が少し見える。誰かに見られてしまうかもしれないのに、今までそうできなかった分を埋めるように、暫くそのままで動かなかった。
「もう我慢できないから覚悟しろよ?」
 そう、司くんが言うのに、私が遠慮がちに頷くまでは。

 司くんとだったら、何もこわくない気がしたんだ。司くんの色に染まることだって、私は平気だと言えるから。


+++


「あああ・・・こりゃ向こうに行く予定はキャンセルだな」
「どうして? 私も一緒に行くよ?」
「お前な・・・そういう問題じゃねぇだろ」
「?」
「向こうで仕事なんかしてみろ、お前のことなんか放ったらかしだぞ?」
「が、がまんするもん」
「俺の気がすまないんだよ」
「む・・・司くん、何かわがまま・・・」
「覚悟しろって言っただろ?」
「・・・・・・お風呂入ってくる!」
「おー、行ってこい」
(・・・付き合い始めた相手に対して風呂入ってくるとか言うなっつーんだよ)

(C) +KK
******

こうしてりっちゃんは司くんに美味しくいただかれたのでした。おしまい(byぷけさん)。

さて、みんなで、大きな声で、言いましょう。せーの、
素敵なお話ごちそうさまでした!^p^

[ 2010/04/29 15:59 ] 小説系 | TB(0) | CM(0)

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