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煙草は害悪ですよ! 

どうも、煙草は害悪だと信じて疑わない管理人です。見事に週一更新です、ほんとうにあr(ry

さて、今週はとくにこれといったネタもないので(ツイッターで垂れ流してるから)、ちょっと前に
閉鎖された旧カイメイSNSに掲載してた小噺をもってきました。うん、新規ネタでなくてごめんw
でも、もともとSNS限定公開のつもりだったから、一部の人にしか見られてないと思うのでお倉出し。
個人的には、ちょっと違ったカイメイの形かなあと思ってます。

というか、初めて カ/イミ/ク 臭がする話を書きました。自分がそうなので言いますが、このカプに
アレルギーがあるとか、絶対許せないひとは読まないで下さい。自分で書いててすごく嫌でしたが、
この話にはカイメイ要素もありながら、カ/イミ/ク 要素もありますです。

……ちなみに管理人はカ/イミ/クが大の苦手です。どのくらい苦手かっていうと、未だにカンタレラの
原曲が聴けてないくらい苦手で、思わず薄字にして検索よけなんかしてしまうくらい苦手です。
このカップリングが好きな人、ごめんね!


と、いつもより冗長な前置きをしておいたところで、やっと本編ですよ。
前置きもタイトルも長いですが、本編は短いです。

******
喫煙と愛情による、彼と彼女の関係性の変化について
******

 変わっていくあなたを、これ以上見ていられなかった。

 肌寒い風の吹く夜の非常階段で、私は、手すりに凭れた彼と対峙する。群青色の革のジャケット、夜に溶けそうな青のインナー、黒のパンツ。青空色の髪と、瞳。男のひと特有の細くがっしりした手に添えられているのは
「煙草」
 ――私が嫌悪してやまない匂いと、赤い光を発していた。
「やめたんじゃなかったの」
 非常階段に出る入口、私は、スタジオのはいった建物と外の境界線に仁王立ちしている。
 彼は、私の声に気付いてか、くるっと上半身を捩じってこちらに視線を寄越す。
「ん、再開」
「やめなさいよ」
「いいんだよ」
 なんとも悪びれない声――だが、以前よりかさついている気がするのは、きっと気のせいではない。
「よくないわよ。喉に負担かけてるの、アンタもうたうたいの端くれなら、わかってないわけじゃないでしょ」
「わかってるよ」
「じゃあやめなさいよ」
 語気を強めて言うと、彼の眉根がすこし寄った。
「だって吸ってないと落ち着かないもん」
 そうして、もう一度それを口にあて、ふうっと白い息を吐き出す。寒さによる白さじゃないその煙は、非常階段を駆け上がって消えた。
「それに、ミクがいいって言ったから」
「ッ……!」
 思わずぎちりと歯が鳴るのは、もう仕方がないと疾うにあきらめている。握った拳を、以前ならもうすこし隠していただろうけれど――もういいのだ。どうせ、隠したところで、この男は気にしない。だいいち、その名前にいちいち反応する私もまだまだ未熟者だということだ。
「煙草吸ってる男のひとってカッコよく見えるんだってね。俺もそう思うし。ミクは煙草の味も好きみたいだし」
「……そう。それならなおさら、やめるべきだわ」
「なんで? ミクがいいって言ってるのに?」
 思わず冷静さを欠きそうになる。その名前を、その名前をもつ彼女を、私が嫌っていると、憎んでいると知っていてわざと会話に織り交ぜてくるのだ。自業自得だが、きっとあなたは彼女が彼女を嫌う私が嫌いだから、同じように私を嫌うのだろう。もしくは、そんな私に心底幻滅したか。どっちでもいいけれど、要するに、あなたはそれ程私が嫌いになったのね。
 なけなしの理性を総動員して、飛びそうになる拳と暴言を押しとどめ、代わりに淡々と言葉を組み立てる。
「煙草の煙は吸ってる本人よりも、他人に与える悪影響の方が断然大きいのよ」
「うん。それで?」
 からかわれている。現に、彼はいまこうして私から叱責とも言える言葉を投げかけられているのに、なんとたのしそうに煙草をふかすことか。
「彼女の歌手生命までちゃんと考えてるなら、そんなことはできないはずよ」
 私の言葉にはこたえずに、短くなった煙草を足許に落し、次いでかかとで踏みつける。目障りな赤い光が潰えた。
 そのさまは、私の眼に、とても不愉快なように映った。
「……変わったわね、カイト」
 思わず洩れた言葉は、本心だった。
「相変わらず、俺に夢を見過ぎているよね、メイコは。別れてもう1年以上経つのに」
「そうね、自分でもおかしいと思うわ」
「じゃあ、もうかまわないでくれるかな」
「そうはいかないわ」
 ここでやっと嫌そうな顔をしたカイトに背を向けて、私は言い放つ。
「あなたが私の前で煙草を吸うと、私の身体に負担がかかるの。私に害だからやめてちょうだい」
 控室が煙草臭いのも気に入らない。集中力がそがれる。そして、それ以上に、

 変わってしまったあなたが耐えられない。

「とにかく、私の前では吸わないで」
 歩きながら、
「私は、まだうたうたいを続けたいから」
 そう、自分に言い聞かせるように言った言葉は、果たして彼に届いただろうか。
 ああ、でも、伝わっていないかもしれない。なにせ、私は、論法もなにもかもめちゃくちゃな、こどものわがままのような、言いたいことを言いたいだけ言う、彼の言葉とかみ合わない会話しかしていないのだから。
 わかっていても、止められないのも、私が未熟な証拠だった。

 涙があふれそうになって、必死で押しとどめる。かまわないでくれるかな。たしかにそうだ。私がもうかまうことではないのだ。カイトは、以前のカイトとは違うのだ。いくら私がとめても、きっとカイトには届かない。
 握った拳に痛みが走る。その痛みすら、いまは心地よくなってしまった。
「ほんとに、何考えてんのかしら、あのバカイトっ……!」
 廊下に誰もいないのをいいことに、散々罵倒してやろうかと思った文句は、しかしそのひとことを口にするだけで終わってしまった。
「ほんとに、何考えてん……の、……私……!」
 誰もいないから油断して、警戒を解いていた涙の防波堤が決壊した。
 今更戻れるわけはない。だってカイトは望んで彼女のもとに行ったのだ。そんなカイトを引き止めるのを潔しとせずに手放してしまったのは私。カイトが悪いわけじゃない、カイトだけが悪いわけじゃない。

 彼を変えてしまったのは、私でもあるのだから。

***

 変わっていく自分を、これ以上見せたくなかった。

 肌寒い風の吹く夜の非常階段で、俺は、手すりに凭れて煙草をふかす。
「煙草、やめたんじゃなかったの」
 振り返らなくてもわかる。その声の持ち主は、キャラメル色のジャケットに、黒いVネックニット、そしてタイトな赤いミニスカートをはいている。足許は、ジャケットと同じ色のブーツだ。ヒールはそれほど高くない。
 振り向くと、非常階段に出る入口に、彼女は仁王立ちに腕組みまでして、こちらを見ていた。
 それはそれは、険しい目で。
「ん、再開」
「やめなさいよ」
「いいんだよ」
「よくないわよ」
 とげを含んだ言い方――だが、彼女の攻撃性が、前よりずっとなりをひそめている気がするのは、きっと気のせいではない。
「喉に負担かけてるの、アンタもうたうたいの端くれなら、わかってないわけじゃないでしょ」
 そんなこと、ずっと前から知っている。だって、あなたが口を酸っぱくして言っていたじゃないか。
「わかってるよ」
「じゃあやめなさいよ」
「だって吸ってないと落ち着かないもん」
 あてつけみたいに、煙草を吸って、息を吐く。煙を見送ると、夜空が、白いフィルターがかかったみたいにぼやけて見えた。
「それに」
 悟られない程度の浅い呼吸。
「ミクがいいって言ったから」
 あなたの前で、その名前を出すのは勇気が要る。
 ほら、案の定その名前を出すとあなたは絶句した。怒りに震える唇、いまにも暴れ出しそうな拳。全身で怒りを表現しているくせに、瞳だけは、いつまでも悲しそうなままの彼女。彼女がそんな顔をできるなんて、俺はついぞ知らなかった。彼女のことなら何でも知っていると思っていたのに、皮肉なものだ。今の今になって、俺は俺の知らなかった彼女の表情を見ている。
「煙草吸ってる男のひとってカッコよく見えるんだってね」
 俺もそう思うし。あくまで彼女のことは気にしないふりをして、話を続ける。
「ミクは煙草の味も好きみたいだし」
 カイトさん、あたし、煙草の味も嫌いじゃないかも。くちびる越しに煙草の味を知ったその子は、小悪魔的な笑いを浮かべてそう言ったのだ。
 それをきいた彼女の声は
「……そう」
 夜風に負けないつめたさだった。
「それならなおさら、やめるべきだわ」
「なんで? ミクがいいって言ってるのに?」
 ダメ押しのように、その名前を出してみても、その拳が飛ぶことはなかった。いよいよ泣きそうな表情なのに、涙ひとつ流していない。……彼女も、ずいぶん辛抱強くなったみたいだ。
「煙草の煙は吸ってる本人よりも、他人に与える悪影響の方が断然大きいのよ」
 それでも悲しそうな瞳を見るたびに、思わず冷静さを欠きそうになる。俺の自業自得だけれど、きっとあなたはあの子とつきあっている俺が嫌いなのだろう。もしくは、あの子にほだされてしまった俺が憎いのかもしれない。どっちでもいいけれど、要するに、あなたは俺が嫌いなんだろう。
「うん。それで?」
 なけなしの理性を総動員して、ごめんねの代わりに口から出したのは挑発だ。できるだけからかっているように見えるように、もうすこしで吸えなくなる長さの煙草をくわえる。
「彼女の歌手生命までちゃんと考えてるなら、そんなことはできないはずよ」

 胸を突かれた。そんな気がした。

 短くなった煙草を足許に落し、次いでかかとで踏みつける。
「……変わったわね、カイト」
「相変わらず、俺に夢を見過ぎているよね、メイコは」
 俺は次の煙草に手を伸ばそうとして、その衝動を押しとどめつつ、言う。
「別れてもう1年以上経つのに」
「そうね、自分でもおかしいと思うわ」
「じゃあ、もうかまわないでくれるかな」
 たのむから、もうかまわないで。そうお願いできたらどれだけ楽か。
「そうはいかないわ。あなたが私の前で煙草を吸うと、私の身体に負担がかかるの。私に害だからやめてちょうだい……とにかく、私の前では吸わないで」
 そうして、メイコは俺に背を向けて、一歩踏み出しながら、
「私は、まだうたうたいを続けたいから」
 そう、呟いていた。

 その背中が充分小さくなってから、俺は煙草をもう一本取り出す。
「……だから、ここで吸ってたのに」
 メイコが煙草を嫌いなのは、出会ったときから知っていた。喉に悪いのも知っていた。メイコの身体の負担になることも。だから俺は禁煙を実行したし、じっさいそれは成功した。しかし、メイコと別れてすぐに禁煙は破られてしまった。
「俺だって吸いたいわけじゃないのに」
 同じうたうたいのあの子に浮気みたいなことをしたのは俺だし、メイコを振ったのも、そのあとすぐにあの子に乗り換えたかたちになったのも全部俺のせい。だから、俺はメイコに一発殴られても仕方がないはずなのに、別れてからはついぞ殴られたことはない。つきあっていたときは、あれだけ頻繁に平手をくらっていたというのに。
「私の前では吸わないでって……メイコがこっちに来るんじゃないか……」
 メイコの喉だけは、壊したくない。これ以上迷惑はかけられない。だから、メイコのそばでは吸わないようにしていたのに。
「……なにそれ」
 自分で思って自分で笑った。ああ、なんてことだ。もしかして、俺はいまだに、あの子のことよりメイコのことがだいじなんじゃないか?
 でも、もう戻れない。

 変化を起こしてしまったのは、俺なのだから。

Fin. (C)KERO Hasunoha
******
あとがき。

さて、これはカイメイなのでしょうか? 一概にいえないところが、ちょっとリアルかと思ってます。

[ 2010/06/18 21:44 ] 小説系 | TB(0) | CM(0)

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