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オリジナル再録! 

なんていうかもう、かんべんしてくれ って感じですかね。勿論読者さんが。
拙いです。ええ。これを無修正で他人に送る辺りもう恥晒しもいいとこでした。
ごめんね当時のYさん。指摘してくれてありがとうYさん。
何回も改稿しているのに、いつまでたっても書き直そうとしませんしね。

……そんな感じの、過去の俺の一番の自信作だったお話を晒します。

世界観は好きなんですよ。だからこれをベースに膨らませて長編を書こうとして。
か、書こうとして、完結して無いんです……よ。
暇があったらPCに移そうかと思って、でもまだそれも出来てないっていう(駄目
全文表示で出てきます。

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名も無き、機械仕掛けの国の物語
******

 機械都市、オートグルー。機械産業のトップとして発展した、西の小国群のうちのひとつ。この国では人間のしていた殆どの仕事を機械が行っている。基本的には非常に治安の良い国だけれど、何しろ街全体が巨大な機械なので、ネジ1本、歯車1個でも破損させるとそれが例え旅人だったとしても刑罰が下る。……刑法17条の、ええと、ええと、
「……何法だっけ……」
 大通りを歩いていた少年――ぱすてるは、歩みを止める。
 社会科の授業は全然身が入らない。分かり切ったことを2度も3度も教えたがるから(たとえばこの国の機械システムとか。1年生の時は暗記しないと怒られたけど)。退屈で退屈で、思わず瞼が重力に任せて落ちてくるほど退屈で。社会なんかより、理科のほうがよっぽど楽しい。自然の営みとか食物連鎖とか。
 そんなことに思いを馳せながら、ぱすてるはまたぼんやりとオートグルーの家路を歩き始める。歩き始めて数歩、ぱすてるは機械の歯車音に混じって聞き慣れない音――ドルドルドル、と何とも形容しがたい音が、後ろから近づいてくるのに気付いた。何かと振り返ると、バイクが1台、無人自動車――フルオート・ヴィークルの間を縫うようにして、こちらに向かって走ってくる。
……あれは確か、モビル、といったか。オートグルーでは随分前に生産が中止されて、“旧型”になっている奴だ。だったら、だいぶ遠くから来た旅人さんか、或いはマニアか。思いながら眺めているぱすてるの横に、モビルが止まる。
「こんにちは。君、不躾で申し訳ないけれど、この街でいい宿屋を知らないかな?」
 モビルに乗っていたのは、驚いたことに10代中頃の女の人だ。
「……旅人さんですか?」
「うん。でも、私地図が苦手で……。取り敢えず、現在地はこの地図で言えばどこ?」
 ……確かに、オートグルーは人通りの少ない国だ。人は大抵フルオートで移動するから、お祭りか、もしくは学校帰りでもない限り『歩く』ことはしない。それでも最近は健康志向が高まってきて、散歩やジョギングをする人が増えつつあるらしい。
 それはともかく。
「いい宿をお探しなんですよね」
「うん。ここから近いとうんといい」
「ボクの家、宿屋ですけど。案内、しましょうか?」
 旅人の少女の顔が明るくなる。
「それなら、お願いしようかな。……はい、これ着けて、後ろ乗って、しっかりつかまってて。それと、案内はなるべく早く的確にしてくれれば嬉しいな」
 ぱすてるにヘルメットを被せ、少女は黒いモビルのエンジンをふかす。
 少女のモビルの後ろに登りながらぱすてるは、そういえば小さいころによく“知らないおじさんにはついて行くな”と教えられたなあ、と今更ながら思い出した。
 でも、“知らないお姉さんのモビルに乗るな”とは言われてないもんね。
 ドルドルドル、と騒音をたてて、モビルはぱすてるの指示通りに北へと向かって走る。

 宿(ぱすてるにとっては家)に着いてから、少女はエアと名乗った。各地を見て回っている旅人だ、と。ぱすてるの両親は、旅の話を聞かせてくれるなら、旅人特別料金と称して滞在中の宿代を2割引しよう、と言い、エアもそれに合意した。旅をしたことのないこの家族にとって、旅人達の話は新鮮で、貴重。エアは話し上手でもあったから、話をしている間中、笑いが絶えなかった。
 でも、ぱすてるは――いつものことながら、旅の話よりも旅人本人のことの方に興味が湧いた。旅をしている人は、普通の人とは違う『何か』を持っている気がするのだ。だから今回も例により、夕食後に、旅人……エアの部屋を訪ねることにした。こん、こんとノックをすると、中からどうぞ、と言う声が聞こえてきた。
「お邪魔します」
「あ、君かぁ。今日は案内有り難う」
 笑うとすごく綺麗な人だ、と思った。勿論笑っていない顔が不細工だ、という訳ではない。
「すこし、お話させてもらってもいいですか?」
「いいよ。……えっと、ぱすてる君、だっけ」
「はい」
「いい名前だね。オートグルーの人の名前じゃないみたい」
 そういう風に褒められることは、あまりない。……というより、女の名前のようだとからかわれて嫌な思いしかした覚えがない。
「……ボクは女の子みたいで、嫌い、なんですけれど」
「そうかな。東のどこだかの国には“パステル”っていう名前の画材があるのだけれど」
「画材?」
「そう。発色のいい固形絵の具……クレヨンだよ。優しくて、それでいて味のある絵になるの」
 ――そんな調子で小一時間ほども話していたのに、エアについてわかったことは『エアは16歳で、ぱすてるの6つ上だ』ということだけだった。

 次の日、エアはぱすてるを地図代わりに、オートグルーの街を見て回った。といっても、オートグルーには観光名所のようなものは無いので、工場見学が主となったけれど。学校の社会見学で来た工場では、職員の代わりにパステルが説明役を買って出た。
 幾つ目かの工場を出てから、エアがぽつりと言う。
「これだけ機械化された国でも、人間は働いているんだ……」
「そうですね。この国には“勤労の義務”がありますし、ヒトの感覚を要する作業は最新の機械をもってしてもできないことがありますから」
 勤労の義務、の辺りはこの間習ったばかりだ。……きちんと授業は聞いておくものだな、と――今更だけれどパステルは思う。エアはふうん、という風に街の方に向き直る。
「でも、ここまで技術の進んだ国はそんなにないよ」
「まだまだです。今、技術者たちは、人工知能と人工知覚を発明して、完全に人間と同じことを出来るような自動人形――いわゆるオートマータを造ろうとしています」
「そうすれば、そこらじゅう自動人形だらけになるね」
「……この国の発展の為には、必要なことなのでしょうけれど……」
 普段は、はきはきした言動のぱすてるが口ごもる。
「……あまり良いことではない気がします。ヒトに“造られた”モノは、人より優れているでしょう?自動人形だったら、頭が良かったり、顔がキレイだったり……。でも、ひとはキレイじゃなかったり、できないことがあったりします。だからこそひとなんだと思うんです」
 ぱすてるは一息ついて、続ける。
「この街には、見ての通り木や草が一本もありません。街の歯車や、機械の錆の原因だとして、殆どが伐られました。土も、コンクリートの下で見えません。木も土も花も、あることにはあるのですが、全部研究材料として研究室に押し込められています。……全部、自然にあったイノチたちなのに、機械のせいで居場所を失いました。ボクは、人間もいつかそうなってしまうんじゃないかって、不安なんです。機械のために人間が死んでしまう様なことには、なってほしくない……」
「――ぱすてるは、優しいんだね」
 その日は、日暮れまで灰色の街並みを見てあるいた。

 夜。
 エアは今日見て歩いたことをノートに書き綴っていた。ぱすてるの話は分かり易く、丁寧で、文に纏めるのも容易だった。工場の仕組み、街機能、ぱすてるの言ったこと、そして自動人形。ぱたん、とノートを閉じたとき、トントン、とノックが聞こえた。
「――はい?どうぞ?」
 戸が開くと、ぱすてるの両親が立っていた。表情は、暗い。
「エアさんに、折り入ってお話したいことがあるのですが……」


「…………今、何と?」
 この人たちは何を言っているの。エアは自身の耳を疑った。ぱすてるの父親が答える。
「“息子”を、ぱすてるを、……壊して欲しいんです」
「私に殺人をしろと言っているのですか?」
 間髪入れずに言い返す。父親からふと目を逸らすと、母親が泣いている。また、父親が言う。
「殺人、にはなりません。“息子”は、――人ではないのですから」
「どういうことですか」
「ぱすてるから、人工知能と人工知覚のことについて聞いたそうですね」
「自動人形……? ……待ってください。そんなこと」
「彼が、その二つを備えているとしたら?」
 有り得ない、と言おうとしたのを父親の声が遮る。嫌な想像が当たっていたことに、エアは血の気の引く思いがした。
「……ま、さか。いくら……そう幾らこの国の技術が凄いといっても……!」
 続かない。沈黙に、母親のすすり泣きが、いやに耳につく。
「……あの子が、ツクリモノだって……いうんですか……」
 きっ、と睨む。無言で肯定する彼らに、エアは憎悪の眼差しを向ける。そしてそんな自分を嫌悪する。――そんなこと、信じられるはずが無い。けれど。怒りにも似た感情を抱くのは、そのことを事実として受け入れようとしているからだと、エアは気付いている。
 だからこそ、理不尽に他人を睨んでいる自分が嫌に思えた。
「……これを見ても、信じてもらえませんかね……?」
 父親が、服の袖をまくり、手首を『外して』見せた。赤や青、その他数十種類ものコードが剥き出しになる。明らかに人間のそれでは、無い。
「――――――!」
 ショックで、脳が機能停止しそうになる。
「エアさん。……ぱすてるを壊して下さい。理由はお話します」

 オートグルーには、機械工学の権威と謳われたある夫婦がいた。夫婦には一人の息子がいたが、とある事故で他界。夫婦は嘆き悲しんだが、ある時息子の代わりの機械人形を造ろうと思い立った。夫婦は研究室に閉じこもり、人工知能・人工知覚の開発に乗り出した。国も機械人形の有用性を買い、設備を与えた。自動人形開発の先駆けとなった出来事だ。
 しかし、研究室からの排気の中に有害物質が混ざっていたことは、夫婦はもちろん、誰一人として知る者はいなかった。排気の中には、生物の生殖機能を停止させる物質が混入していた。恐らく、開発途中の何かが作用したのだろう。人々が気付いた頃にはあとのまつりで、国の女性は殆ど全員、子供の産めない身体になっていた。新生児が生まれないということは、国家の存亡に関わる。国の政府は有害物質の浄化を試みたが、それには膨大な年月が必要である、ということが後の調査で判った。人々は悲嘆に暮れた。
 そんな絶望の最中にあった人々を救ったのは、自動人形完成の報せだった。国では自動人形を量産し、国民のありとあらゆる――文字通り子供から老人まで、市民権を持つすべての人間に一体ずつ割り当てた。
 自動人形に人間の記憶をプログラミングして、いつまでもその人の想いが生き続けるように。

「この街には自動人形しかいません。過去生きた人間の“想い”を『プログラム』として持つ機械が、この国にある全てです。それでも――自分が自動人形であると知っているのは、自動人形開発者の夫婦の『プログラム』、つまり私と、妻だけです」
「……それと、ぱすてるを壊すことに、何の関係が?」
 落ち着きを取り戻したエアが言う。父親は、続けて言った。
「政府は、人間がほろんでも都市機能、国家が作り上げたこの高技術は維持してゆきたいとの方針を固めました。いつか、汚染された空気が完全に浄化されて、人間がまたオートグルーで生活できるように、との考えです。そこで、ある自動人形に都市機能の殆ど全てをつぎ込み、国の“主電源”として稼動させるようにしたのです。製造番号は、“P-A-S-T-E-L” ……そのままの読みで、ぱすてる、です」
 エアは言葉を失った。あの少年が恐れていた『機械のために人間が死んでしまうこと』が、彼の“開発過程”で起きていたなんて。
「……実は、最近街中の自動人形に異常が見られます。……信じ難い事ですが、錆が機械を蝕んでいる様なのです。錆の原因は木や草、土であるとプログラムされていますが――それは間違っているのですか?」
「はい。錆の原因は、大気中の酸素です。……オートグルーは機械工学の国ではあったけれど、自然科学はそれほど発達していなかったのですね」
 ああ、と自動人形の父親はやはり、というように肩を落とした。
「……先日、修理工の『プログラム』を持った自動人形の、最後の一体が壊れました。修理技術は完全に失われています。街の歯車も、咬み合わせが悪くなってきてガタガタです。このままの状態では、いずれ滅んでしまいます。結果が同じならいっそのこと……」
「今、国の主電源を切ってしまおう、という訳ですか。……でも、それなら自動人形の貴方たちがやる方が、下手な人間にやらせるより正確なんじゃないですか?」
「確かに、そうかもしれませんが、……これを見てください」
 父親が、四枚ほどの紙切れをエアに手渡す。かなり古いが保存状態は良かったらしく、傷も無ければ日焼けもしていない。エアは、しげしげと眺めてから
「……ぱすてるの、設計図面ですね」
「そうです。自動人形は頑丈なので、中の配線、プログラムから壊していかなければなりません。ですが……これが、厄介でして」
四枚目の、とある配線を指し示す。エアの目も、自然にそちらを向く。
「この配線は、他の全ての自動人形に干渉する――ぱすてる以外の自動人形の機能を停止させる無線系統プログラムに繋がっています。……でも、この配線を切らないと国の“主電源”まで到達できないのです。……この意味が、わかりますね?」
「自動人形が、ぱすてる……国を滅ぼさないように、でしょうね。他のどこをどうやっても“主電源”は切れないようですし」
指された図面に視線を落としながら、言う。
「やっていただけますか」
「――――…………」

 数分後、エアとぱすてるの両親はペンチやらスパナやら、必要と思われる工具を持ってぱすてるの部屋にいた。
「起動電源は落としてあります。起きることはありません」
「…………」
 エアは無言で作業に入る。ばこん、と左胸の板が外れ、配線が剥き出しに見える。設計書と照らし合わせながらコードを切っていく。時折がこん、と外の歯車が止まる音が聞こえる以外、コードを切る音と、ぱすてるの母親の小さな嗚咽しかしない。作業も終盤に差し掛かったとき、父親がおもむろに語りだした。
 ぱち  ぱち  ぱち  ぱち  ぱち
「技術が幸福をもたらす訳ではないのです」
 ぱち  ぱち  ガコン……    ぱち  ぱち
「この国の技術は進みすぎた」
 ぱち  ぱち  ぱち  ガコ……ゴンッ  ぱち
「人の手に余る技術となってしまった。故に、人は滅んだ」
 ぱち  ズズズズウ……ン カンッ   ぱち  ぱち
「自動人形は、造られるべきではなかったのかもしれない……」
 ぱち  ガクン……             プ ツ ン


 エアの仕事は迅速かつ正確だった。工具を仕舞って街に出る。ひっきりなしに動き続けていた街中の歯車は、止まっている。何ひとつ音のしない大通り。宿の前に止めたモビルに手を掛ける。かこん、とサドルを外し、エアは無線機を取り出した。
「……研究所の所長につないで下さい。コードは、A-I-R-0-2-9です。……エアです。オートグルーの技術、見れるものは全て記憶しました。それと、オートグルー製の自動人形の設計図面も入手できました。かなり古いものですが……。ええ、これから帰ります。……はい。大丈夫です。……はい。それなら、空気サンプルも持っていきます。……確かに、有害物質の残留分子が残っていては、危なかったでしょうね。でも、私は結構快適に過ごせましたよ? ――私も“自動人形”ですからね。……では、切ります」
 プツッと音がして、無線は切れた。

 通信の終わった無線機を仕舞い、研究・調査派遣用オートマータ、コードA-I-R-0-2-9号機――通称名“エア”は空を見上げた。どんよりと雲が垂れ込めている。
「灰色の街に、灰色の空……か」
 モビルに跨り、エンジンをふかす。ドルドルドル、と騒音が町に響く。音は死んでしまった単色の街に反響し、やがて消えるだろう。
――自動人形は、造られるべきではなかったのかもしれない……。
 『臨終』の自動人形の言葉が蘇る。実はその言葉に、一瞬配線を切ることを躊躇った。何故かは理解しえないけれど。もしかしたらそれは同情のような。或いは、憐れみのような。
 良く分からない。インプットされている全ての言葉、どれにもあてはまらないように思えた。
「……」
 落ち着かない。とにかく、研究所に帰ろう。報告がてら所長にでも訊いてみよう。ぱすてるの話も聞いて貰いたい。“人形”離れした人形のぱすてる。私も、あんな風に人を慈しむことが出来るだろうか。そうだ、涙のプログラムを組んで貰おう。ぱすてるのお母さんの涙が、少し羨ましかったから……。
 そんなことを思いながら、エアは日の暮れた街を出た。

(C)KERO Hasunoha
******
あとが菌。
……はい、もう、前述の通りです。
ちょっとやっちゃった感が否めません(……。
や、こんなのに感想くれる酔狂な人はいないでしょうが、貰うととびあがって喜びます。
それでは、乱文乱筆誤字脱字、その他諸々失礼します。
[ 2006/03/28 22:15 ] 小説系 | TB(0) | CM(0)

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