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ハッピーハロウィーン! 

今日はハロウィンだそうです。俺はキリスト教徒じゃないので、特に何をする予定も
ありません。ありません、筈でした。が。
どこかしらで、ちらほらハロウィン題材の小説や絵が飾ってあるじゃないですか。
その上レポートで飽和した頭が勝手にハロウィンネタで構想を立ててしまったのですよ。

そんなことしてるから、うっかり午前休(起きたら11時)とかになるんだよ。
ほんとびっくりしたよ。起きたらとくだねやっててビックリしたとかいうレベルじゃない。


そんなこんなで、思わず便乗してみましたハロウィンネタ。
魔術師の話(後編はこちら)に出て来たデコボコ師弟の話。

******
魔術師たちのハロウィーン――Happy Happy Halloween!!
******
ハッピーハロウィーン!
「シアっ、起きろ!」
 ズドン、と大仰な音を立てて、俺の部屋の扉が外れた。扉の廊下側だった側面には、うっすらと黒く摩擦痕が残り、扉の鍵はノブごと部屋の隅に吹っ飛んでいる。――蒲団の中にいる俺が、何故このように詳細な扉の様子がわかるかといえば、「よくあることだから」としか答えられない。悲しいことに。
 俺は、ぐらぐらと安定しない頭を首の先にぶら下げたような心持ちで、上半身を起こした。身体を起こすと、目に入ってきたのは、ちいさな女の子だ 。
「ふん、やっと起きたか」
 この偉そうなこども――名前はアンズという――は、しかし実際に偉い地位を持つ魔術師で、俺よりうんと格上で、俺は彼女を師匠と呼ばなければならない立場にある。もっとも、抵抗感を感じたのは最初だけで、慣れてしまえばそれほど苦でもなくなったが(悲しいことに)。
 師匠から視線をずらし、時計を見遣る。
「どうしたんですか師匠……今日はまた、何でこんなに早いんです?」
「僕には、呑気に寝ていられる貴様の神経がわからん」
 俺は特に朝起きの悪い性質ではない。寝起きに関して言うならば、師匠の方が相当悪い。しかし、その師匠がここまでいうのだから、今日は何かとくべつな日であったのだろうか。たとえば、大きな仕事が入っているとか。
 カレンダーを見遣る。
「今日は仕事の無い日でしょう」
「あたりまえだ。こんな日に仕事などやっていられるか!」
 余程たいせつな日らしい。しかし、俺には思い当たる節が無い。強いていえば、今日が今月の晦日に当たる日だということくらい。こういうときは、正直に訊いてみる方が、後の被害が少ない(聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥、というのを身を持って実感するような弟子生活なのだ。何かあれば恥どころじゃ済まない。師匠に命をとられる危険性すらある)。
「何があるっていうんです?」
「お前……季節感も情緒の欠片も無い質問をするな! 今日は“はろいん”だぞ!」
 は?
「……“ハロウィン”?」
「何だ、シア。“はろいん”も知らないのか?」
「知っていますよ、それくらい」
「それならいい。で? 用意はしてあるか?」
 ハロウィン自体を今の今まで忘れていた俺に、何の用意があると思っているのだろうか。
「お菓子ですか? それなら台所の棚に来客用のがありますよ」
「……何で菓子が要る?」
 師匠は不機嫌そうに答えを返してきた。違ったらしい。
「じゃあ何か仮装するものですか? あいにくですが、俺にコスプレ趣味はありませんよ?」
「……仮装?」
「“ハロウィン”といったらあと何があります? かぼちゃのランタンですか?」
「……ランタン……?」
 今度はほんとうに「意味がわからない」といった風に、師匠は首を傾げた。――話が、咬み合っていない。
「話が合わないぞ、シア。僕の知っている“はろいん”とはだいぶ違う」
「……俺もそう思いました。じゃあ、師匠のいう“ハロウィン”ってどんな日なんです?」
 師匠は、すこし躊躇う素振りを見せてから、真っ直ぐ俺のほうを向いて口を開いた。
「……『トリックアンドトリート!』と呪文を唱えれば、近所の子供たちから欲しいものを根こそぎ奪い取れて、他人の家に侵入して悪戯し放題、でもその行為は呪文の効果でまったく法に触れない。その代わり、じぶんの家では“ふすま”とかいう仕切りで一部屋を設け、その部屋の四隅には蝋燭を置き、部屋の中で怪談をするたび蝋燭を消していく、という儀式をしなければならない。門には松を立て、聖節を祝う日で……」
 違う。明らかに違う。まったくもって違う。何か色々混ざっている。
「……師匠、それは」
「あ、あと、夕食には必ずかぼちゃの煮付けかパンプキンプディングを食べる! かぼちゃの美味しくなる日だ!」
 瞳を輝かせ、満面の(しかし普段の邪気など欠片も滲ませず、まったく屈託の無い)笑顔でそう言い放つ師匠に、俺は二の句が継げなくなって、いっそ二度寝してしまおうかと思った。
「……師匠」
「なんだ」
「端的にいうと、それはとんでもない誤りです」
「……え?」
 心底驚いた顔で、師匠は目を丸くした。……重症だ。
「そもそも“ハロウィン”というのは宗教儀式、とある一神教の万聖節祭のことです! 掛け声は『トリックオアトリート』、お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ、です! そもそも、略奪や強奪、不法侵入がまったく法に触れないなんておかしい話でしょう! いつから信じていたんですそんな与太話! 参加したことがあるんですか“ハロウィン”に!」
「だ、だって、政府から毎年毎年、何故だか知らないが急に仕事が舞い込むんだ! それも、出張や遠方に長期滞在の必要な仕事ばかり! この日は“はろいん”だから休ませてくれって、いつも言っているのに! 僕だって“はろいん”に参加してみたいんだよ!」
「参加したこと無いんじゃないですか! ……ん、ちょっと待ってください師匠」
「何だよ」
 逆ギレモードに突入しかけている師匠は、氷の鋭さで言葉を放った。魔法素が師匠の方に流れていくのがわかる。下手なことをいえば、大技を喰らいかねない。けれど。
「過去、誰か政府の上官に、ハロウィンの話をしましたか?」
「ん……僕が弟子だった時に、同じような話を師匠にしたことがあったような気がする、な。あの頃師匠はこの国で五本の指に入るほどの権力者だった筈だが……? それがどうかしたのか?」
 それで師匠は、こんな与太話をあっさり信じてここまで育ったのか。
 政府も考えた訳だ。この頑固な癇癪持ちのとんでもない思い込みを指摘すれば、どうなるのかは火を見るより明らかだ(具体的にどうなるかはわからないが、とにかく恐ろしい事態が起こりそうな気がする)。このいたいけな少女を落胆させないように、敢えて真実を伝えず、仕事で遠方へと送り、“ハロウィン”の実態を知らせずに――。
「……そのツケがここまで回ってきたのか……!」
「?」
 俺は、今度こそほんとうに二度寝してしまいたいと思った。これは何か悪夢ではないのか。
 つまり、俺は、事実上、政府から、「この誤った認識を正す責」を与えられたのだ。

 その後、ひととおり師匠に“ハロウィン”の概要を説明したが、中々納得して貰えなかった。何とか粘って師匠をなだめすかしていると、いつしか太陽が沈み、夜になった。
 窓から見える家々に、ジャックオーランタンの火が灯る。その扉からはこどもたちが、手からこぼれそうな程たくさんのお菓子を抱えて出てくる。飛び交う『トリックオアトリート』の文句。お化けの格好をしたひとや、絵本に出てくる怪物や魔女の格好をしたひとたちが、通りを練り歩く。
 その健全なハロウィンの光景を見て、師匠はしばらく呆気にとられていたが、そこはかとなく、じぶんの思っていたハロウィンと、世間のハロウィンとの間には決定的な違いがあるとわかったようだった。しかし同時に、ハロウィンへの興味は著しく殺がれたらしく、夕食の頃になると、いつもの覇気は何処へ行ったのかと問いたくなるほどしょげていた。
 ちょっと可哀想になったので、デザートにパンプキンプディングだけは出すことにした。

 ハッピーハロウィーン。ハロウィンに参加はしないが、きっと来年の今日も、夕食後にはパンプキンプディングが食卓に上るのだろう。

(C)KERO Hasunoha
******
あとがき。
ギャグです。まったくもって阿呆なハロウィンネタです。
基本的に、シアもアンズもギャグネタでいけるキャラですから。
というかですね、作者の脳内ではこのふたり、実はギャグ担当なんですよね……!(笑

初出の重苦しさは何処へ。ほんとうはシリアスキャラなのにね……!
シアはともかく師匠はシリアスな設定持ったキャラなのにね……!!(師匠だけか

誤字脱字指摘・感想・ツッコミなど、何かありましたらコメント欄などでひとことどうぞ。
それでは、ここまで読んでくださった方、どうもありがとうございました!

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[ 2006/10/31 22:18 ] 小説系 | TB(0) | CM(3)

洩烱痕鎚朿?

何が可愛いって『はろいん』ですよ!!なんだその舌ったらずな感じは!!愛

知らない間にアンズがだいぶ愛しいキャラになってて、すごい癒されました(*´∀`*)
あれならシアがメロメロなのも頷けるってもんだね笑
[ 2006/11/01 08:48 ] [ 編集 ]

なんか

最近文字化けが多いね…なしてだろう??
[ 2006/11/01 08:49 ] [ 編集 ]

れす!

コメントありがとうございますー!

ええ、彼女が信じていたのは「はろいん」であって「ハロウィン」ではなかったんですよ(笑
シアはめろめろ? かどうかはわかりませんが、保護者意識くらいは芽生えてきたのでしょう。

文字化けの件ですが、記事中に半角カナを使わないで下さいと、
何回かいいましたよね? そろそろ守って下さい…… orz
名前に半角入れたりタイトルに半角いれたりしませんでした?

してないのに文字化けしたのであれば、報告下さい。対処方法探してみます。
[ 2006/11/01 22:52 ] [ 編集 ]

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