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バレンタイン企画! 

本日バレンタインということで、今年はちゃんと流行に乗って、バレンタインを謳歌してみるべく
小噺なんぞ投下してみようと存じます。……本編は全くバレンタイン関係ない上にファイルの
作成日時が1年前だったとかいう事実は置いといて。

今回はあんだんてらいおんのらいるさんと合同企画です! ……というか管理人が一方的に
書いて満足してしまったものを一方的にらいるさんに送りつけたのですが(えぇー

元ネタはらいるさんが旧ブログで描いていたポケモン擬人化シリーズ。マルマインの設定に
萌えて萌えて仕方なくなった管理人がマルマインを主人公に書き殴ると、なんだかとっても
せつなめなお話になってしまいました。

という訳で、ポケモンを知らない人、擬人化に嫌悪感を抱くひとは回れ右が得策です。
一応、ポケモンも擬人化も何も知らなくても読めるようにはなっていますが、ポケモンを擬人化
したという設定に重きを置いているので、多少不可解な点が出てくるのは必至でしょう。
あ、でもそこはファンタジーだと思ってくれればいいか(超アバウト

いいですか? 警告はしましたよ?

******
ぽけめも――No.100 マルマイン
******

 ひさしぶりに、外に出たのがいけなかったのかもしれない。


 頭上にひろがる空は、あお。ところにより、しろ。太陽は、中天。世に言うところの、快晴。草のにおいのする小道を、少女は歩いていく。
 ――少女の年の頃は、十代後半。良く手入れされた白い帽子は、ひどく長く伸びた、そしてとてもつややかで鮮やかなあかい髪に、良く映えていた。みどりの草の道、空のあおと、小道の端に流れる小川のあおが、よりいっそうあかい髪を引き立てた。それでなくても美しい少女は、しかし、誰の目にも触れない。否、誰の目にも触れないような時間帯を選び、誰の目にも触れないような道を選んで、ひさしぶりの散歩を楽しんでした。
 いつもなら、家に籠もって本などを読んで過ごす昼下がり。学校に行かない彼女にとって今日がとくにとくべつだいう訳ではなく、ただほんの気紛れに、「外に出たくなった」のは本当にひさしぶりのことだった。
 さくさくと草を踏み分け、少女が辿り着いたのは、寂れた発電所だった。彼女の住む地区からそう遠くないにもかかわらず、昔から、おばけがいるから近づくなだの、鉄柵の向こうに入ったら二度と出てこられないだの、妙な噂ばかり立っていた発電所だ。……本当は、発電所という場所の特性上、あまり近寄っては危険だからなのだったけれど。その寂れた外観や、ひとの気配の無い場所にひっそりと立てられた佇まいに、近所の悪ガキでさえも気味悪がって近づかなかった。きもだめしの対象にもならないくらい、世界から隔離された場所。
 それでも彼女は昔から、この発電所に安心感を覚えた。
 誰もいない、そのことが、いつも抱えている『不安』を軽減させたから。
「懐かしいな……」
 少女は、ひとりごちた。彼女が頻繁に発電所に通っていた頃、彼女の髪は今では考えられないくらい薄い色をしていた。……そういう体質だったみたいだ。今よりももっと意志の強い目をしていたくせに(はっきり言えば、目つきが悪かった、とも言えるのだけれど)、緊張でかんたんに倒れてしまうような子どもだった。その緊張というのも、たいていが男の子がらみのことだったので――なにせ、男の子と話をしただけでパニックになるのだ――、最初は男性恐怖症なのではないかと思っていたけれど。少女は懐かしく思い出しながら、かすかに微笑んだ。
 今では、ほとんど家にいて、本にばかり食らいついている毎日だ。そうしようと自分で決めたことだから、今に不満があるわけじゃないけれど。
 少女の眼前高くそびえる発電所の、はいいろに煤けた外壁を見て、彼女の笑みは自嘲的な含みを持った。
 そういえば、人付き合いを避けて家に閉じ籠もるようになってから、ここにも久しく来ていなかった。

「……誰だ?」

 不意に聴こえた自分以外の声に、少女はびくりと飛び上がった。
 声のした方を見ると、発電所の鉄柵の一部(扉のように開閉できるようになっている部分で、少女はついぞその柵の開いたところを見たことがなかった)から、誰かが近づいてくるのが見えた。
「あー……ごめん、驚かせるつもりじゃあ」
 声は続けた。少女は何か答えなければならないのだろうかと必死に考えを巡らすが、
「あ、え、っと」
 そういえば、他人と会話を交わすのでさえ、随分ひさしぶりだったのだと思い出した。思い出した途端、過去の経験――頭の中身がスパークして、目の前が真っ白になってしまうような感覚――が甦ってきて、少女は自然と後ずさりした。
 そういえば、状況が悪化してから――要は自分が家に閉じ籠もると決めてから――誰かと話したことが無いということは、つまり。
 つまりそれは、自分がどうなってしまうかわからないということだ!
 場合によっては件のスパーク程度じゃ収まらないかもしれないしだとしたら一刻も早くここから立ち去るべきであってああでもその立ち去るべき方向には誰だか知らないけれど誰かさんがいてちょっと待って止まってだからこっちに来ないで――
 がくん、と、少女の見ていた世界が、反転した。

 否、反転は、しなかった。反転したような気がしただけだった。膝をついて蹲ったまま、頭の半分で彼女は混乱し、もう半分では冷静に自分の身体の変化を分析していた。
 「スパーク」のときのように、かんたんに倒れはしない、けれど、動悸があきらかに早く大きくなってきているのが、彼女には身体の実感として理解できた。このまま動悸が加速を続ければ、いつか限界がくるのは目に見えている。
 それでも、動けない――。
 このままだと、なにか、よくないことが起こりそうで、でも、身体がいうことをきかない――。

 不意に、肩にあたたかいなにかが触れた。
「おい、大丈夫か? そんなに驚いたのか?」
 はっと呼びかけに気付いて、少女がやっと顔を上げると(やっと身体が動いた!)、心配そうな黒目と視線が合った。
 油汚れのついた作業着を着た、長身痩躯の青年だった。帽子でかくれて全部は見えないが、あまり手入れされていないであろう金の髪には、ところどころ黒っぽく見える部分もある。切れ長の目は、きっと普段なら精悍につり上がっているのだろうが、今は困惑と心配で歪んでいる。
 まじまじと見詰めてから、慌てて彼女は視線を逸らした。
「だ、だいじょうぶ、です」
 ふと視線を逸らすと、自然と肩口に目が行った。自分の肩に当てられていたあたたかいものの正体は、目の前にいる青年の大きな手だった。無骨だけれど、あたたかみのある形。
「あー、そう。それならいいけど」
 そういうと、青年は、少女の方に置いていた手を、ぱ、と離した。それから、ばつが悪そうに視線を外して、驚かせてごめんな、と言った後、言い訳のように、
「……いや、ここに人が来るなんて、珍しいから。それに」
「……なんですか?」
「えーと……髪と帽子」
「……はい?」
「紅白でめでたいなあ、と」
 ぷっ、と吹き出す彼女に、今度は青年の方が驚いたようだった。
「な、お、おかしいか?」
「いえ、おかしくなんか……」
 とはいえ、笑いを堪え切れず、ころころと彼女は笑いはじめた。
「……すみません、おかしい、です」
「……もう知ってる」
 青年は相変わらずばつの悪い顔をしながら、それでもすこし照れたようにそっぽを向いた。
 その青年の様子がおかしくて、少女はまた笑った。
 そのときにはもう、彼女の動悸は収まっていた。昔から彼女に付きまとっていた対人不安も、影を潜めて見えなくなっている。
 それを彼女が自覚するのは、ひとしきりの笑いが収まってからのこと。

「ここって、無人じゃなかったんですか?」
「最近まではな」
 発電所の鉄柵に寄りかかりながら、少女は疑問を口にした。同じく柵に寄りかかっている青年は、とくに不快感を与えない言い方で、短くことばを切った。
 青年は、発電所の作業員だと言った。少女が幼い頃から建っている発電所は、いつみてもどうみても無人だった(だからこそ誰も近寄らなかったのだが)。しかし、最近になって機械の老朽化がすすみ、電気技師をおかなければ危険であると判断されたため、青年が派遣されてきたのだという。
 青年いわく、
「辺鄙なところだからな。俺みたいな若いのじゃないと動かしづらかったんだろ、上も」
「へんぴ……」
「あ。……ごめん」
「いえ、本当のことですから」
 山あいに建てられている発電所、その生産する電気の殆どは、山を越えた向こうの大都市に供給されている。少女は、自分の生まれ育った地区を出たことがないために実感はないが、すくなくとも、自分の暮らしている地区があまり発展していないということは知っていた。
「山を切り開いて建てたんだそうですしね、この発電所」
「へえ」
「私が生まれる前からあるそうです」
「じゃあ俺も生まれてないのかな」
「おいくつですか?」
「18歳」
 少女の目が丸くなる。
「えっ」
「えっ、て。失礼だろ」
「す、すみません。でも、てっきり年上かと……同い年だと思わなくて……」
「えっ、同い年?」
 今度は青年が目を丸くした。
「じ、自分で失礼だとか言っておいて!」
「いや、ごめん。もう少し年下かと思って」
 確かに、少女の身長はその年代の平均よりは幾分か小さかった。……が、青年の身長がその年代の平均よりだいぶ高いことも、要因のひとつではないだろうか、と少女は思った。
「……」
「……」
 暫しの沈黙。
「ふふ」
 のち、笑い。
 ひさしぶりに人と話すのがたのしくて、彼女はまた笑った。青年も、なぜ彼女が笑っているのかわからなかったが、その笑顔につられて自然と顔が綻んでいった。
 中天にあった太陽は山に向かって傾き、時は夕刻に差し掛かっていた。


 それからというもの、彼女は手持ち無沙汰になる度に発電所を訪れた。青年は発電所で寝起きしているらしく、発電所の守衛室からねぐせのままで出てきた(ところを少女に目撃された)り、暇なときは給湯室に少女を呼んで茶会と洒落込むこともあった。が。
「……苦い」
「そうか?」
「苦いよ! ミルクかお砂糖、無い?」
「練乳ならあるけど」
「何でミルクはないのに練乳があるの!」
「加糖練乳だぞ」
「そうだとしても、普通コーヒーに練乳は入れないでしょ!」
「世の中には練乳を入れるコーヒーもあるらしいけど?」
「私は入れないの!」
 青年が好んで飲むブラックコーヒーは彼女の口には合わなかったようで、それ以来、少女にはもてなしとして紅茶が出されるようになった。
 もちろん青年もいつも暇という訳ではない(なにしろ仕事で発電所にいるのだ)。そういう時も、少女は守衛室で本を読んだり(それは彼女の持参したものであったり、青年の私物であったりするのだが)、給湯室でお茶菓子を作っていたり(これは青年がひどく喜んだ)、彼の仕事を見学に行ったり、とにかく発電所に入り浸っていた。
 たくさんの時間をかけて、二人はたくさんの話をした。

「なあ……ここんとこ毎日発電所にいて、親が心配したりしないのか?」
「私はひとりぐらしだもの。……家族は、お母さんと妹がいるけれど。もう随分連絡も取ってない」
「……仲、悪いのか?」
「ううん。そういう訳じゃないけれど」
 むしろ聡明で理解ある家族だよ、と少女は付け足した。怪訝そうな顔をして質問をした青年は、ますます怪訝そうに顔をゆがめた。
「じゃあ、何で」
「……」
「あ、いや。言いたくなかったら良いんだ」
「……ううん、良いの。そうだよね、確かに不思議かもしれない」
 そう言うと、少女は淋しそうに笑った。
「私ね、……病気みたい、なの」
「……何の?」
「よく、わからないんだけれど」
 ぽつぽつと、少女は話し始める。幼少の頃から、常に対人不安が付きまとっていたこと。男の子と話をすることに恐怖を覚えていたこと、実際に話してみると緊張で頭が真っ白にスパークしてしまうこと。学校ではそれが原因で倒れて、よく保健室のお世話になっていたこと。会話以外でも、ひどく緊張したりすると、やっぱり同じようなスパーク状態になってしまうこと。スパークの――病気の原因はなんなのか、全くわかっていないこと。
「生まれつきなのではないかと思うの。お母さんが言うには、私、物心つく前から男の人が苦手だったみたいだし」
 少女の母は、理解ある母親だった。彼女が自分の病気に悩んでいることを知って、別段驚きもしなかったし、無理に励まそうともしなかった。彼女が進学をせずに、ひとりぐらしをしたいと言った時も、強く反対はしなかった。あなたはそのままでいいのよ、と口癖のように少女に言い聞かせていた。そのことばの中に、若干の実感のようなものが滲んでいて、少女は、よく自分の母も同じように悩んでいたのではないだろうかと思ったものだった。
「じゃあ、良くなってるんじゃないのか? その病気」
「そうかな」
「すくなくとも、俺とは普通に話しているだろ」
「それは……」
 ――それは、あなたがとくべつだからだよ。
「……そうかもしれないね」
 心に浮かんだ素直なことばを飲み込んで、少女は曖昧に笑った。
 しかし、少女にとって青年がとくべつであることは間違いなかった(なにせあれほど頻繁だったスパークが、最近はなりを潜めている)。ほんとうに、このまま何事もなければ、自分の病気は治癒するのではないか、と思うほどに。ただし、何事も、の部分には、少女と青年の関係の変化も含まれている。良くも悪くも、変化することにはリスクがある。どちらも緊張を伴うという点で、少女にとっては避けたいところだった。たとえ、彼女が思う方向に、事態が転んだとしても、そのはずみにスパークが起こってしまったら――。
 それでも、少女はこのままで良いと思った。このままが良いと思っていた。
 このままで、私はじゅうぶんしあわせだ。こんなふうに手放しに思えるなんて、少女の人生のなかでは、初めてのことだった。
 だから、気付かない振りをするように、自分を誤魔化すように、少女は青年との時間を過ごしていた。


 時間の経過が変化をゆるさないことは、既知の事実だった。こんなに大事なことを、どうして忘れていたのだろうかと、少女は思う。
「……いつ?」
「今週か、遅くとも来週中には」
「そんなの、すぐじゃない……」
「……本当は、もう少し早く言うつもりだったんだが」
 なかなか言い出せなくて、と青年は俯いた。少女の目には、見慣れたテーブルの上の見慣れたコーヒーカップの中に、波紋がひろがるのが見えた。静かな部屋。見慣れたその部屋の風景が、それまで見ていたものと全く異質なものに思えた。時計の針のすすむ音だけが大きく響いた。
 青年が、発電所を去るという。理由は簡単。発電所が稼動しなくなるからだ。更に正確に言えば、一時的に機械の機能を凍結し、建物を新しく立て直し、古い機材は搬出して新設備を導入したのち、また無人発電所として再稼動させるのだという。計画自体は、随分前から立ち上がっていたらしい。実情を見て、計画を保留するか実行するかを判断しようという試みに、青年が選ばれたのだという。
 青年が発電所に来た時から、発電用の機械たちは、既にずいぶんと傷んでいたという。いくら無人の発電所といえど、定期的な機械のメンテナンスは行われていた形跡はあった。しかし、同時に頻度は有人のそれとは比較にならないほど低かったことも、かんたんに見て取れるような有様だった。細かに手入れをしないと、機械はどんどん傷みやすくなり、そして傷んでいく。青年が修復を試みたところもあるが、殆どは旧式である。老朽の速度の方が、修繕速度を上回ってしまうのだ。逐一の報告で、早めに計画を進めないと危険だと判断したのだろう、1ヶ月前には、青年の元に戻ってこい、というような内容の通知が届いていた。機能凍結の日までに、発電所を後にしなければならない。
 そして、機能凍結まであと20日を切った頃、ようやく青年は少女に告げたのだ。
 ――もう、会うことすら叶わなくなるかもしれない。
「……やだ」
 少女の短いことばには、確かな思いが籠もっていた。
「俺だって」
 憮然として言い放つ青年もまた、確かな心を込めて、ことばを発した。
 しばらく、無言の時間が流れた。互いに俯き、顔を合わせることができなかった。少女はめいっぱい涙を堪え、青年は、苦虫を噛み潰したような表情で、思案に耽っている時間。
 沈黙を破ったのは、青年の方。
「急で、ごめん」
 ふるふると首を横に振る少女。瞳が、すこし滲んでいる。
「……良いの。教えてくれて、ありがと。もう、帰るね。荷造り、あるでしょう?」
「……ああ」
「……正確に、日にちが決まったら、また教えて? お見送りしてあげるから」
「……わかった」
「じゃあね」
「……ああ」
 青年の視線を振り切るように、少女は部屋を後にした。ちゃんと会話を成立させてから部屋を出てきたことは、少女の精一杯の努力だった。ほんとうは、気が動転して、何も考えられていない。
 しかし、少女は落胆と同時に、安堵している自分がいることにも、気付いていた。このまま別れてしまえば、青年との関係が変化することはなくなる。変化に怯えずに済む。この関係を変化させたいと――それは自殺行為であるとわかっているけれど――思う気持ちもいつか失せるだろう。それならば、また平穏な日々が戻ってくるだけだ。
 笑ってさよならと言えば良い。そうすれば、きっと何も変わらずにいられる。
 少女の足は、発電所の鉄格子をくぐり出たところで止まった。今出てきたばかりの、灰色の建物を見上げる。はじめて青年に会った日のことを思い出す。少女の心中とは裏腹に、思い出の中のその日にそっくりの晴天だった。
「……待て!」
 声のした方を見ると、発電所の鉄柵の一部(少女が出入りし慣れた扉だ)から、青年が近づいてくるのが見えた。
 ――前にも、こんな風に。気付いて、少女ははっと息を呑んだ。青年の台詞や、表情や、自分たちの状況こそ違うけれど、まさしくそれは出会った日の情景そのもので。
 涙が、出そうになった。
「……どうしたの? 私なにか、忘れ物した?」
 そう答えるので、精一杯だった。青年が少女に近づく。

「――俺と一緒に来ないか?」

 どん、となにかが少女の胸を打った。顔が真っ赤に染まるのが、温度でわかった。

「……俺は、まだ、一緒にいたいと思う。ゆるされるなら、ずっと一緒にいたいと思う。だから、俺と一緒に来ないか?」

 少女に、断る理由は無い。――自らの胸に残る、病を除けば。
 むしろ、彼の誘いを待っていた。そうなればいいと思っていた。
 気付かないようにしていた。気付かない振りをして、無邪気に振る舞っていた。
 でも、今回ばかりは、そうもいかない。
 少女は気付いてしまった。認めてしまった。自分の気持ちを。
「あ……」
 途端に、動悸が早く、大きく、打ちはじめた。そして、少女は理解する。少女の「スパーク」の症状は、治癒したのではない。変容していただけだったのだ、と。
 少女の身体は、硬直して、自らの意志では動かなくなった。足の力が抜けて、その場に蹲る少女。このまま動悸が加速を続ければ、いつか限界がくるのは目に見えている。そしてその限界は、限り無く近い所にあって、その上加速しながら自分の方へ迫ってくる。
「おい! 大丈夫か?」
「だめ!」
「っ!」
 慌てて近寄ろうとする青年を、少女は渾身の力で拒んだ。拍動が、更に加速する。怯んだように、青年の足が止まる。
「危ないから……来ないで……!」
 もう少しだけ、時間があれば。
 あなたのことばに、応えることができたかもしれないのに。
 ありがとうも、ごめんなさいも、言い足りないのに。

 少女が口を開きかけた直後、眩い閃光とともに彼女の姿は青年の前から消えていた――。


 ひさしぶりに、外に出たのがいけなかったのかもしれない。
 あの日、外に出ようなんて思わなければ、私たちは出会わなくて済んだのに。

(C) KERO Hasunoha
******
あとがそ。

何このやっちまった的空気。
言っておきますけどね、管理人のネットデビューは二次創作だったんだからねっ!(マジです

タイトル由来は、らいるさんの旧ブログ「ぐだぐだヘタレらいおん」のこの記事
ときめものパクリじゃないんだから! 書いたらそれっぽくて焦ったけど断じて違うから!
ちなみに、上記の記事中にらいるさんがメモしていたビリリダマとマルマインの設定が載って
いて、それに影響されまくって書いたというのがコトの真相。

この作中で、「少女」はマルマインですが、「青年」の正体がよくわかりませんね。メッセでは
らいるさんに「ピカチュウですか?」といわれました。管理人はエレブーさんのつもりで書いて
いたんですが、正直どっちでもいいでs(蹴
というか、むじんはつでんしょといったらエレブー初GETポイントだろ! じゃーはつでんしょの
ヌシはエレブーだ! という管理人の独断と偏見により、お相手はエレブーを模したのですが
そういえばピカチュウも黄色と黒だわ……! ってトコに気づかなかったのが管理人らしい所
(というかむじんはつでんしょのヌシならいっそサンダー(ry
うん、だからお相手は黄色と黒のポケモンででんきタイプなら誰でもいいです(えぇー

あ、あと、皆さん「?」と思われただろうラストの件ですが、要するにあれは、
[> マルマイン の だいばくはつ!
……なのでした。わかりにくくて申し訳ない。でもあそこで内臓ぶち撒けたりしたらそれこそ
18禁じゃすまなくなると思うの大惨事ー!!

他にも探せば疑問点は沢山出てくると思いますが、多分上記リンクの設定と照らし合わせて
みて頂ければよいのではないかと思います……! というか設定先に出すべきだった感が
満載……! 拙い文章で申し訳ない! 設定とらいるさんに申し訳ない!!
ツッコミ、意見、疑問、質問等はコメント欄にお願いしますー!

というわけで、らいるさんありがとうございましたー!

******

そんなこんなで、今年のバレンタインは、せつなめ小噺でお茶を濁してみました。

******

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[ 2008/02/14 10:51 ] 小説系 | TB(0) | CM(0)

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